『家を建てるために購入しようとした土地の地目が畑になっている』
『家を売却しようと思ったら土地の項目が畑になっていると言われた』
など、普段は気づきにくいのですが、いざ不動産を売買しようとしたときに気づいて焦るケースが多数あります。
今回は、市街化区域における地目違いの土地について詳しくお話ししていきます。
実は、地目変更登記をしていない不動産は多く存在します。不動産登記法の第37条第1項に、地目変更後1ヵ月以内に申請義務が課せられおり、第164条に申請義務を怠ったときは10万円以下の過料に処するとあるのですが、実際に罰則が適用されることはほとんどないため、手続きがなされていない不動産が存在するのです。
しかし、土地の地目に応じて固定資産税が発生し、畑などの農地と住宅用の宅地では課税金額が変わってきます。
現況に関しては、航空写真や実際に立ち会うことで確認ができ、それに基づいて固定資産税の内容が決定されるため、地目と現況が違っていても特に不具合が生じることはないようです。
しかし!地目違いの土地は売買の際に大変厄介です!
新たに分譲された土地や、以前に家が建っていなかった土地は、地目が「宅地」にはなっていません。
(売り主側が事前に転用許可や売買許可をとっているため、売買は可能です)
そのため、家を建てたら1ヵ月以内に地目変更登記を済ませておきましょう。
もし、市街化区域における地目「畑」の土地を購入し、家を建てる場合は、農地法5条の届け出を市役所農業委員会に提出し、所有権移転登記を行います。その後、新たな土地の所有者が新築の建物登記すると同時に、土地家屋調査士という国家資格を持つ専門家に依頼すれば、地目変更登記することができます。土地家屋調査士に依頼すると数万円ほどの費用が発生します。しかしこれは法務局で自ら申請することもできますので、気になる方は法務局に相談してみて下さい。
何故、地目「畑」を「宅地」にしておく必要があるのでしょうか?
地目が田や畑となった農地を売却する際には注意点があります。農地は本来、食料自給と言う目的を持つことから、法律で売買が制限されているのです。これらの地目の土地を売買する際は、農業委員会の売買許可や転用許可が必要になり、許可を受けずに行われた売買行為は無効になってしまいます。
そのため、農業委員会の許可を得て所有権の移転登記を行わなければ、他人に土地を売る事はできないのです。
このように、地目が「畑」のままでは後々売りたいと考えたときに、移転登記の手続きを経る必要が生じ、売りに出す前の段階で時間や手間がかかってしまうため、新築家屋を立てる際に購入する土地は、その時点でしっかりと地目変更を行い「宅地」にしておきましょう。