私の友人は、田舎で町工場を営んでいた祖父母の家を相続することになりました。相続人は、孫である友人しか残っておらず、町工場と隣接する自宅を全て相続しています。しかし、自分の家や家庭は隣の県にあり、この相続した家は長年空き家になっています。

空き家対策特別措置法により、固定資産税が上がっていく中、この家を今後どうするか悩んでいます。この家に住み、持ち家にすると言う選択肢は全くないと言うことなので、他の選択肢として賃貸に出すこと解体することそのまま売却することを選択肢として考えました。


まず、賃貸で今流行の古民家風のカフェギャラリーのようなテナントとして貸し出す方法や、普通に居住用に出す方法等を考えました。町工場が隣に付いているので住居兼作業場という形で、ものづくりをする人のニーズに合わないかなども考えました。しかし、どのような方法にしろ、貸し出すにはかなりのリフォームが必要です。築50年ほどの家のため、見積もりを出したところ数百万円もの金額がはじき出されました。そのため賃貸に出すと言う選択肢はなくなりました。

次に、解体の場合を調べてみました。平成28年度の税制改正により、空き家を解体した上で売却すると、譲渡所得から3000万円が控除されることが決まりました。そのため、いちど更地にしてもらうにはどのくらいかかるか解体費用を見積もってもらいました。すると、ここでも数百万円の見積もりがはじき出されました。ただ、これには解体費用助成金と言う(住んでいる地域によって額が変わりますが)補助金が設けられています。そのためリフォームするよりも、だいぶ安く抑えられそうでした。しかし、解体して更地にしたところで、固定資産税は変わらないということを知り、そのまま持っていてもメリットがないという結論にいたりました。解体するのは、売買するつもりの場合に、買い手が付きやすくするためや譲渡所得税が減額されることを目的にしたもののようです。

取得から3年が過ぎると、3,000万円までの譲渡所得の控除は受けられなくなってしまうことや、さらに、取得から5年以上経過してしまうと、売却時に発生する譲渡所得税は39%から20%になることを、街に再開発の手が入れば、持っている土地の地価も上昇するからと、売却の様子を見ている友人に早く伝えてあげたいと思います。

 
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