ここ数年、日本では不動産価格の上昇傾向が見られます。都心部においては、購入時の価格より高値を付けている物件(特にマンション)も、多数見受けられます。都心部に始まった不動産価格の高騰は、福岡市にも大きな影響を及ぼしています。
福岡市の取り組みとその効果
福岡市の人口は、ここ数年増加傾向にあり、近年は空室率も下がっています。
コンパクトシティとして有名な福岡市は、いわゆる中心地と呼ばれる場所もコンパクトなため、新たな供給が少ないことから、特にオフィスの需要が高まっています。オフィス需要が高まる背景には、日経ニュースなどでも取り上げられている、福岡市の取り組みが大きく影響しています。福岡市では経済特区として様々な規制緩和を行い、新規雇用を生み出す若い企業の誘致を積極的に行っています。この福岡市の取り組みは大変好評で、スタートアップ都市宣言により、多くの若い企業が福岡市にオフィスを構えるようになりました。また、起業率も7%と非常に高く、主要都市の中でも群を抜いています。市内に再開発できる大規模な土地はなく、製造業などの参入は難しいため、商業・サービス業が発展しています。起業が新たな雇用を生み出し、活気ある福岡市をつくりあげています。
不動産価格の推移
新築マンションの供給は前年とほぼ同様でしたが、坪単価はどんどんアップしていっている状態です。都心のような超高額マンションは無いものの、利便性に優れた物件や、個人で不動産投資を考える人に手を出しやすい物件が多数あります。またワンルーム等のシングル物件でも、都心に比べれば1.5倍ほどの利回りが期待できることや、東京一極集中とした投資に対するリスクヘッジのため、全国の投資家が福岡の不動産を求めています。
実際に、2013年から住宅地商業地ともに連続で公表価値が上昇しており、2015年には23年ぶりに住宅地の地価がマイナスからプラスに転じました。
地価の上昇や、さらなる人口の増加、起業家による雇用の創出、福岡市によるサポート体制の充実などにより、今後ますます勢いが増す福岡市の動きから目が離せません。