「無印良品」といえば、文具やちょっとしたうれしい工夫がされた小物たちを始めとして、家具や収納・衣料・食品に至るまでを幅広く取り扱う国内ブランドです。中には「ムジラー」と呼ばれる熱狂的なファンの存在やインテリア雑誌でよく特集を組まれていたりします。そんな無印良品が分譲マンションを対象としたリノベーション事業を始めました。
無印良品のリノベーション
無印良品のリノベーション事業においてのコンセプトは「自分らしく暮らすためのすっぴんの住空間」。まずはその住戸における余分なものすべてを排除した状態へとし、本当に必要なものだけが残された空間から新築でも中古でもない新しい住まいを考えます。
そんな無印良品が住宅事業に初めて参入したのは2004年でした。当初は「無印良品の家」という新築での販売からスタートしました。それから「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」にて、大阪を出発点に今では全国の団地を対象に広がっています。そして今回は分譲マンションを対象にしたリノベーションの世界にも進出したのです。
では具体的にどのようなリノベーションなのでしょうか?詳しくご紹介します。
MUJIインフィル・ゼロ
まずは住まいをスケルトン=すっぴんににします。ここでのインフィル・ゼロとは、無印良品のリノベーションにおける「原点」のことです。住戸の天井から壁・床すべてを撤去し、構造の躯体と配管など住まいに必要なものだけを残した状態が暮らしの「0(原点)」です。
この「0(原点)」が家づくりの0地点であり、一見何もなく殺風景に見えてしまう空間ですが、これからの未来を自由に描くことのできるキャンバスとして無印良品は違った角度から目を配ります。気になる価格は70平米で600万円前後を想定しています。
MUJIインフィル・プラス
次に家具や収納・その他の小さな棚やドアノブに至るまでを足していきます。ここでのMUJIインフィル・プラスとは、あなたの思うとおりに内装を考える「暮らしのパーツ」のことです。家具やキッチンなど、存在も大きなものを足すことはもちろんのこと、玄関の飾り棚や小物が足されることでその住まいのリアリティが変わってきますし、洗面所の蛇口が変わるだけで暮らしの質が変化してきます。
どんな「リビングにしようかな?」「こんなキッチンがいいな!」「お風呂はどうしよう?」とワクワクしながら、7,000アイテムを超える無印良品の知恵と工夫が詰まった商品たちと、たくさんのインテリア例を参照に実際に生活する目線で様々なアイディアを提供してくれます。気になる価格ですが、トータル150万円前後の想定です。
ムジラーでなくとも惹かれるデザイン
飾らないナチュラルでシンプルな生活空間を好む若年層をターゲットにしているというだけあって、気になるリノベーション価格も大手よりも割安に設定されているようです。立地の良さを求める彼らにとって、中古マンションを自分たちの好みに作り替えて住むという新しい選択肢が増え、注目されていくでしょう。