戸建ての売却で思うように見学者や契約者が現れない場合、不動産業者から必ず言われるのが「古い建物ですから。いっそのことリフォーム済み物件になさいませんか?」。
パッと見、綺麗な方が売れるのではないか。古い建物だからな…。そういった事で売却主がリフォームをしている中古物件が年々増えてきています。
しかし、そこは待って!見学者は増えるかもしれませんが本当に購入意欲のある見学者は、それで離れていくパターンが多いです!!
元の状態が分からなければ分からないほど不安になる
流行りの古材風の床(クッションフロア)にしたり水回りを一式新しく変えてみたり。
一見すると「わあ!思ったよりきれいだね」なんて思いたくもなりますが、そこは触らないでほしかった。というのが正直な感想でした。
元の状態が見えないので、どの程度の傷みだったかがわからないのです。
賃貸物件ならそれでもいいけれど大半は、「これを終の住まいに」と考えて購入します。つまりは、長年住み続けられる家かどうかもう判断できない訳です。床も以前はブヨブヨだったのかもしれない。フローリングまで湿気が上がっているならば床下の基礎はどうなっていたんだ?水回りが新しいのは単に見栄えや機能性をアップさせるため?それとも何かあった??
そういった判断が、どうしても短時間の見学ではできかねるんですね。
だったらここはもういいや。となってしまい見送った物件も多かったです。
ライフスタイルが違えば動線も違う
各家庭、家族構成も違えばライフスタイルも違う。つまりは動きやすい動線も違う訳です。
中途半端に触られているのでその分の値下げ交渉ができにくいですし、また新しい水回りにしても肝心の配管はそのままというパターンならば、余計にお金と手間が発生するのです。
また、売却主のセンスやこだわりが詰まったリフォームであればあるほど、他人には受け入れがたいこともあります。
私が行って一番びっくりしたのは、住居空間がすべてスターウォーズにカスタマイズされた物件でした(笑)
嫌いじゃないけど我が家にするのはどうなんだろうなあと。
無難な一般ウケするリフォームですと、今度は購入者側にこだわりがある場合だと、「余計なことを!」となることも懸念されますので、よっぽどのセンスをお持ちでないと、下手に触るのは辞めておいた方が無難です。
購入者側からしたら、それまでにこの家を愛してきたんだなあと分かるような雰囲気が一番ほっこりしたりします。経年劣化もお手入れしてあるお家と、そうではないお家の差は歴然です。
大事にされてきた家は、築年数がたっていても凛としているものですので、あまり築年数は気にせず、来る日のためにお手入れだけは欠かさずしてくれた方が購入者としてはありがたいです。