事業を興すにしても、日々の生活を過ごすにしても、
「不動産」というのは、常についてまわる問題です。
そして、「不動産」という貴重な財産だからこそ、
法律上の手続きも厳格だったりします。
前回のコラムでは、「個人」と「法人」の違いというお話でした。
これは、当たり前といえば当たり前のことなのですが、
意外と、書類上、ひっかかることも多いところです。
たとえば、個人事業者が法人成りするようなケースです。
僕もFP法人の役員ではありますが、個人事業者でもあります。
個人事業時代に借りたオフィス。
この場合、個人の住所・氏名をもって契約します。
そのため、金融機関、行政機関、その他の手続において、
僕個人が物件を借りて、個人事業を営んでいるという形態になります。
もし、宅建業のように、「許認可」を要する事業者であれば
個人の名義で、個人の住所で、個人の印鑑で、手続きをしています。
ところが、法人成り(会社を設立)するとどうなるか?
たとえ、法人成りしても、実際に事業をやっているのは僕です。
だから、これまでと同じようにオフィスも使うし、会社とはいえ、自分が
仕事をすることになります。
しかしながら、法律上は、「個人」と「法人」は別人格です。
したがって、「個人事業者たる行政書士・村瀬仁彦」と
「FPEVE合同会社代表社員・村瀬仁彦」は、
実際に僕が動くのは変わらないのですが、まったく別人として扱われます。
そうすると、「個人」と「法人」は別人格である以上、
たとえこれまで宅建業免許や飲食店営業許可などの許認可を取得していても
会社(法人)として新規で取得する、ということになるのです。
ゆえに、オフィスの契約などでもそうです。
もし、これまで使用していた個人名義で借りている物件に、法人を設立した場合には
行政手続きなどで、個人としての使用権限とは別に、「法人」の使用権限というのも
問題になることもあります。
あぁ、めんどうくさい・・・ということが、多々、起こりうるわけですね。
(次回につづく)