自分の所有権がない不動産に対しても売買契約は成立するか
不動産の売買契約においては、買い手に自身の持っている不動産の所有権を金銭の代償と引き換えに譲り渡すことになります。
しかし、所有権がない物件に対しても売買契約の話を進めることが出来るのでしょうか。
ここでは、自分に所有権がない不動産の売買をする手続きについて紹介していきましょう。
●基本的には売買契約自体は結ぶことが可能
結論から言うと、自分に所有権がない不動産についても売買契約を結ぶことはできます。
不動産の売買契約は、自分の不動産に対する所有権を金銭と引き換えにすることになりますが、契約自体は所有者でなくとも買い手
と締結することが可能です。
ただし、契約締結の際に自身の所有物ではないということを説明しておかないと、賠償責任問題になるので注意しましょう。
●所有物ではないものを売買対象にする場合に発生する売主の義務
自身の所有物を譲り渡すのが売買契約ですので、自分の所有物でない不動産を売買対象にする場合には、期日までに持ち主から
所有権を取得する義務が派生します。
確実に所有権を手に入れられるのであれば良いのですが、もし何らかのトラブルにより不動産の所有権を入手できなかった
場合、契約不履行となってしまうので注意が必要です。
この場合、買い手が売主に対して所有権を求めることはできない代わりに、代金の返還や法的措置をとることができるようになります。
また、不当に取得した場合にはもともとの所有者にも損害賠償をされる危険性があることを覚えておきましょう。
●瑕疵担保責任は売り主に発生する
元々の所有者から所有権を譲り受けた時点で、売買契約に基づく瑕疵担保責任に対する責務も売主に移行します。
そのため、売買後の瑕疵担保責任に起因する事象が発生した場合、責務を履行しなければなりません。
●通常の不動産売買よりリスクが高い
仲介業者を利用するにせよ、自分の所有物でない不動産を売却する際には所有権が無い分リスクが高いと言えます。
利潤に期待するにせよ、後にかかる責任やリスクを承知しておかなくてはならないことを忘れないでください。