登記上のトラブルで一番多い地積の差異
不動産を売買する上でトラブルになりやすいのは地積(登記上の土地面積)の差異によるものだといいます。
理由はいくつかありますが、不動産を売却するうえでは、次の持ち主に対してきちんと正確な情報を伝えておくことが売主の義務だからです。
ここでは、どのようにして地積の差が生じるのかということ、それによる不動産売却に関する事例を紹介していきましょう。
●地積の差異が生じる原因とは
地積の計算方法は法律によって決められていますが、この計算方法が法改正により変わることがあります。
登記の内容は作成当時の法律に基づいて計算されているわけですから、改正された法律に基づいて計算すると合わなくなることも珍しくないのです。
また、土地の境界線の認識が曖昧の場合にも地積の差異が発生する原因にもなります。
例えば隣接する家同士の境界線に塀があった場合、その塀にまたがる土地はどちらのものなのかなど、微妙な部分ですがきちんと認識しておかないと、トラブルのもとになるのは確実です。
売主が正確に不動産の地積を把握しておくことがトラブル防止の第一歩になるので、面倒くさがらずに登記の内容を確認して、
必要ならば正確な地積の測量をしておくのが良いでしょう。
他にも地積調査が進んでいない場合もあり、実際の登記と記載が異なっているケースもあるようです。
●増改築した際の履歴が登記に反映されていない
家を増築する際にも土地に対しての床面積の上限が決められています。ところが増築をした際に、その履歴を登記簿に記録していないと
トラブルの元になるでしょう。
基準内ならば登記に記載すれば問題はありませんが、仮に基準以上になっていた場合は違法建築として売却することができなくなります。
この場合、増築した部分を取り壊すなりして基準内に収まるようにしなければならず、取引が滞ったり中止になる原因にもなるでしょう。
●建て替えが前提の場合は建物の規模が小さくなる可能性がある
地積の基準が変わって、家が法律に合わなくなることがありますが、基本的には家が建てられた時の法律が適用されるので、そのまま
住む分には問題ありません。
ただし、建て替える場合には現行での法律が適用されるため、現状の建物より小さくなってしまうこともありえます。
そのため、現在の法律に適用した場合に増改築のことも考えておくと良いでしょう。