新築マンションを購入したものの、なんらかの事情で手放すことになってしまった……。
こんなとき、マンションが完成する前に売却することはできるのでしょうか?
結論から言うと、引渡し前のマンションを売却することはできません。
▽完成前のマンションは誰のもの?
新築分譲マンションは、売買契約を結んでから引き渡しされるまで2~3年かかることも珍しくありません。
その間に家庭の事情などで、予定どおりに住めなくなってしまうこともあるでしょう。
売買契約を結んでいても、マンションが完成して、登記が行われるまでは買い手の所有物にはなりません。
そのため、完成前のマンションを売却するのは不可能です。
▽売買契約を解除する方法
最も無難な方法は、売買契約を解除することです。
だからといって、あっさり解除できるものではありません。
買い主の都合で契約を解除するときには、手付金を放棄する必要があります。
未完成物件の手付金は5%かつ1,000万円が上限とされています。
保全措置が取られている場合はそれ以上も可能なので、10%としているマンションもあります。
物件価格5,000万円としたら、手付金は500万円です。
ただし、すでに売主のほうが履行の着手をはじめていると、手付放棄による契約解除はできません。
手付放棄に加えて、違約金の支払いが必要となります。
違約金は一般的に売買代金の20%ということが多いです。
物件価格5,000万円としたら、違約金が1,000万円かかります。
契約書に書いてあるので、きちんと確認しましょう。
居室にオプションを付けている場合には、その代金を請求されることもあります。
▽引き渡しまで待って売却する
売却をそれほど急がない場合や、物件が高く売れそうな場合は、引き渡しが終わってから売却する方法も考えられるでしょう。
物件の引き渡しのためには登記費用や修繕積立一時金を支払う必要がありますが、違約金を支払うよりは安く済むケースもあります。
人気物件であれば、購入価格と同等で売却できるかもしれません。
違約金の金額や、周辺マンションの流通実績を見て、契約解除か、引き渡し後の売却かを決めるとよいでしょう。