少し前に話題になった「タックスヘイブン」という言葉をご記憶の方も多いでしょう。
富裕層が租税を回避するため、税金のない国や地域に資産を移すことが問題視されました。
ところで、日本に住んでいる人が国外の不動産を売却したらどうなるのでしょうか?
わたしを含む一般人にはあまり縁のない話かと思いますが、気になったので調べてみました。
▽居住者は日本で課税される
結論から言えば、日本の居住者が海外の不動産を売却したとしても、日本で課税されます。
国税庁ホームページによると、「居住者」の定義は以下のとおりです。
「居住者」とは、日本国内に住所を持っているか、又は現在まで引き続いて1年以上居所を持っている人をいいます。
このような「居住者」に当てはまるのであれば、国内で発生した所得についても、国外で発生した所得についても、いずれも日本の方式で税金を納める必要があるのです。
▽外国税額控除ができる
ただし、海外で不動産を売却した際、その国の法令で所得税が課せられるケースがあります。
日本と海外の両方で二重に課税されてしまうことになり、これではあんまりだということで、一定額を日本の所得税額から差し引くことができます。
国税庁ホームページによると、控除限度額は以下のとおりです。
所得税の控除限度額=その年分の所得税の額×(その年分の国外所得金額/その年分の所得総額)
海外の所得税がこの控除限度額未満であれば、すべて戻ってきます。
外国税額控除のためには「外国税額控除に関する明細書」を作成し、外国所得税を課されたことを証する書類および国外所得総額の計算に関する明細書を確定申告の際に提出しなければなりません。
▽日本に住んでいない人は?
居住者でなければ、日本ではなくその人が住んでいる国で課税されることになります。
ただし、日本国内で生じた所得については、日本で課税されることになります。
所得の種類によって扱いが異なるので、該当する可能性がある人は専門家に相談することをおすすめします。