2016年12月8日、政府は「平成29年度税制改正大綱」を決定しました。
この改正では、以前から言われてきたタワーマンションの課税についての見直しについても盛り込まれています。
果たしてこの改正によって、タワーマンションの固定資産税はどう変わるのでしょうか?
詳しく見ていきます。
▼タワーマンションにかかる税金
これまで、タワーマンションは1階であっても最上階であっても専有床面積が同じなら同じ税額でした。
しかし、マンションの部屋ごとの取引価格は階数によって大きく異なります。
せっかくタワーマンションを買うとなれば、眺めの良い高層階を選びたいと思う人が多いでしょう。
そのため、価格が高くても高層階は人気があるのです。
そんな高層階と低層階の税金が同じというのはおかしいということで、実際の取引価格に応じた補正を行うことになりました。
▼いくら変わるの?
改正に伴い、タワーマンションの固定資産税は「階層別専有床面積補正率」によって補正されます。
「1階を100とし、階が1つ上がるごとに、これに10を39で割った数を加えた数値」となっていますが、これだけではよくわかりませんよね。
10÷39はおよそ0.25ですから、2階はおよそ100.25、3階はおよそ100.50と上がっていくということです。
40階建てなら、最上階の40階の固定資産税が1階よりも10%高くなる計算です。
あまり変わらないと感じる方も多いでしょう。
マンション1棟当たりの固定資産税はこれまでと同じなので、真ん中あたりの階に住む人は従来と変わりありません。
▼いつから変わるの?
この税額の対象となるのは、2018年度から新たに課税されるマンションです。
すでに建っているタワーマンションは対象になりません。
また、2018年に課税が始まっても、2017年3月31日以前に分譲が行われているマンションは対象外となります。
▼中古マンションがねらい目?
今回の課税見直しは2018年以降に課税される新築タワーマンションに限られるため、駆け込み需要がありそうです。
さらに、中古のタワーマンションは対象にならないことから、今後中古タワーマンションの高層階の人気が高まる可能性もあるでしょう。
タワーマンションの購入を検討している人は、このことも頭に入れておく必要があるかもしれませんね。