野村総合研究所の2015年「NRI富裕層アンケート調査」結果によると、日本の富裕層は増加しているそうです。
この調査における富裕層の定義は、貯金、株式、投資信託、一時払い生命保険や年金保険から構成される「純金融資産保有額」が1億円を超えていることなのだとか。
われわれ庶民からすると別世界のような話ですね。
富裕層世帯と生前贈与について考えます。
▼調査結果に見る富裕層
野村総合研究所の推計によると、各層の世帯数は以下の通りです。
・5億円以上 超富裕層 7.3万世帯
・1億円以上 富裕層 114.4万世帯
・5,000万円以上 準富裕層 314.9万世帯
・3,000万円以上 アッパーマス層 680.8万世帯
・3,000万円未満 マス層 4173.0万世帯
ピークとなっていた2013年と比べると、富裕層は20.0%、超富裕層は35.2%増加しています。
これはアベノミクスに端を発した株価上昇により、準富裕層や富裕層が資産を増やして上のクラスに移行したためだと考えられています。
▼生前贈与の活発化
富裕層にとって相続税は頭を悩ませる問題です。
2015年に相続税が増税となり、ますます生前贈与の重要性が増してきています。
野村総合研究所が富裕層向けに行ったアンケートによれば、43%の富裕層が「すでに生前贈与を行っている」と回答しました。
まだ生前贈与をしたことがないが関心はあると答えた人も含めると、76%が生前贈与を意識していることになります。
野村総合研究所はこの結果を受け、これまで亡くなるまで手放さずにいた資産も、生前贈与への関心の高まりとともに早期に次世代に移転することで、経済活動が活発になるのではないかと分析しています。
▼不動産の生前贈与
不動産も生前贈与の対象となります。
中でもアパート・マンションを生前贈与することは、相続税や贈与税対策にとって大きなメリットをもたらします。
というのも、不動産は通常の資産と比べて評価額が低くなることから、税額も低く抑えられるのです。
特に富裕層はアパートやマンションを購入できる資産がある人も多いでしょうから、現金の贈与だけでなく不動産の贈与を検討してみるのも良いかもしれません。