住宅金融支援機構が2016年下期の住宅市場動向調査結果を発表しました。
これは住宅事業者、ファイナンシャルプランナー、一般消費者に対して調査を行い、2016年下期の住宅市場に対する買い時感や一般消費者のニーズなどについて探ったものです。
一般消費者の6割が今を買い時と見ていることが判明しました。
▼「買い時」と答えた一般消費者
一般消費者とは、2016年10月からの1年以内に住宅取得を検討している25歳~59歳の人たちです。
調査はインターネットで行われ、1,100人が回答しました。
このうち、58.5%にあたる644人が「買い時」と回答しています。
その理由は複数回答で3つまで選ぶことができます。
「消費税率引き上げが再延期されたから」(68.9%)と「マイナス金利政策の導入後、住宅ローン金利が一段と低下しているから」(62.6%)がほぼ同じ割合で並んでいるのが特徴的です。
消費税率は当初2015年10月に8%から10%に引き上げる予定でしたが、2017年4月に延期され、さらには2019年10月に再延期されました。
消費税が2%上がるということは、3,000万円の物件で60万円の増税となります。
できることなら増税前に購入したいものですね。
▼「買い時ではない」と答えた一般消費者
わたしはこの結果を見て、「すでに住宅取得を検討している人たちだから、買い時だと思っているのは当然ではないかな…」と思ってしまいました。
しかしながら8.6%の人は「買い時ではない」と回答しています。
買い時ではないと考える理由としては、「景気の先行き不透明感が広がっているから」(45.3%)、「消費税率引き上げが再延期されたので少し様子をみたいから」(33.7%)、「将来の収入に不安があるから」(23.2%)が上位となっています。
ライフスタイルの変化や自宅の老朽化などで、やむを得ず住宅取得を考えている人たちなのかもしれません。
▼ファイナンシャルプランナーの見立て
同じ質問に対して、ファイナンシャルプランナーの69.0%が「買い時」と回答しています。
一般消費者は消費税率の問題を一番に挙げていますが、ファイナンシャルプランナーは93.1%が「マイナス金利政策の導入後、住宅ローン金利が一段と低下しているから」と回答しています。
たしかに消費税率の引き上げまではあと3年弱ありますが、マイナス金利はいつまで続くかわかりません。
「いまが買い時!」というのも一理あるかもしれませんね。