国土交通省では2016年3月1日から3月7日の建築物防災週間に行った「民間建築物における吹付けアスベスト等飛散防止対策に関する調査」の結果を発表しました。
国土交通省によれば、吹付けアスベストが露出した建築物は全国で15,554件あることがわかったそうです。
調査と今後の対応について詳しく見てみましょう。
この調査では、1956年~89年に施工された民間の建築物のうち、概ね1,000 平方メートル以上の大規模なものを対象としています。
調査建材は吹付けアスベスト及び、アスベストを含有している吹付けロックウールです。
地方公共団体から建築物所有者に報告を求める方式で実施されました。
・調査の結果
調査対象の建築物は265,655件、このうち回答があったのは238,445件です。
アスベストが露出していると回答した建築物は15,554件でした。
11,469件はすでに対応されており、746件はこれから対応予定です。
対応済みと対応予定を合わせた対応率は88.50%となり、昨年の調査の87.19%より1.31ポイント増加しました。
・今後の対応
国土交通省では吹付けアスベストが露出している建築物の所有者等に対し、除去、封じ込め、囲い込みの対策を取るように地方公共団体を通じて要請していくそうです。
調査結果を見ると回答していない建築物があるのも気になります。
もしかしたらアスベストを隠しているのでは? と心配になりますよね。
こうした未回答の建築物についても地方公共団体に継続調査を依頼していくそうです。
・アスベストと不動産売却
アスベストが使われているのはほとんどが大規模な建築物なので、戸建てでアスベストが使われているケースはほとんどありません。
しかし、マンションの場合は駐車場などに使われているケースもあります。
アスベスト問題が明るみに出た2006年、アスベスト使用調査の有無が重要事項説明書の記載事項として追加されました。
しかしながらアスベストが使用されていたらすべてが危険というわけではなく、飛散防止の対策が取られていれば問題ありません。
不動産売却の際にはアスベストの使用有無や、使用されていた場合の対策についても確認しておきたいですね。