【財産の大半は不動産が占める】
平成26年11月末の二人以上の世帯の家計資産は、1世帯当たり 3491 万円です。
家計資産の種類別では、「金融資産(貯蓄-負債)」が1039万円、「宅地資産・住宅資産(宅地資産:1832万円・住宅資産:492万円)」が合計で2324万円、「耐久消費財等資産」が 128 万円となっています。※世帯主の平均年齢57.3歳、平均世帯人員3.03人、宅地保有率80.2%、住宅保有率83.7%(出典:総務省 平成26年全国消費実態調査 家計に関する結果 総務省統計局)
つまり財産の殆どが、不動産となっています。これでは、相続が発生した場合に法定相続分通りに分けることは、難しくなります。
【平等で分けにくい財産】
財産の全てが、現金や預貯金でしたら兄弟姉妹平等で1円単位で分けることができます。
しかし、全てが平等で分けられるとは限りませんし、一つの単位だからこそ価値がある財産もあります。
たとえば、1つ500万円のダイヤモンドの指輪があるとします。親が残したのはこの財産だけ、相続人は姉と妹の2人です。では、どうやって分けたら平等でしょうか?
平等にということで、指輪を半分に切ったらどうでしょう。もちろん想像がつくと思いますが、指輪の価値は激減するでしょう。
もしくは、こんな会話もありそうですね。
姉「母が随分使っていたから傷がついている、専門家に鑑定してもらったら価値は300万円だというから、あなたに(妹)150万円の現金を渡すから、この指輪は私がもらうわ」
妹「お母さんの思い出の品よ、そんなのは不平等だわ、いつもお姉ちゃんばかりずるい」
姉妹の喧嘩が、始まりそうですね。
では、自宅だけが相続財産の場合は、どうなるでしょうか?これは、相続財産の条件と財産を受ける方のライフデザインによっても変わります。
人口減少が進む過疎地の田舎を相続することになったらどうでしょう。
兄は「子供を自然の中で育てたい、田舎に帰ろうと思っていた」
弟は、都心で働き家族と暮らし「もう田舎に戻るつもりがない、田舎の相続財産は売却できそうもないし、管理費と固定資産税がかかるだけの負の財産だ」
ということでしたら、兄にとっては価値がありますので、弟が欲張らなければ折り合いが付きそうですね。
その一方で、高度成長時代に田舎から都心に移り住み、財産を築いた人たちの相続財産はどうでしょうか。
…つづく…