こんにちは!

今はもう季節の変わり目で、外出するときの服装にも気を使わなければいけない時期ですが、

多少暖かくなっても細かいことは気にしないで今日も真冬のコートで出勤してきた税理士の三輪です。

不動産は我々税理士が扱う案件でもTOP5に入るくらい扱う頻度が高いのですが、

金額も大きくなりやすく、仕事や生活と密接に関係してくることからトラブルも発生しやすいものですよね。

不動産をめぐるトラブルの火種として権利関係があげられます。

ここでの権利とは例えば、「この土地は私のもの」と主張する権利などがあります。

「私のもの」と主張することができるからこそ、その土地を自分で使ったり、貸したり、売却したりすることができるのですね。

ですが、「私のもの」と口に出して言うのは簡単ですが、本当かどうかを確かめるにも土地に境界線や名前が書いてあるわけでは無いので、

他人からすれば簡単に信じるわけにも行きません。

そこで、土地に名前が書けないなら紙に書けばいいじゃないか!ということで実際には持ち主を記録する帳簿を使っています。

これを登記簿といい一般に公開されます。

ところで、今回は私のお客さまBさんより不動産関係の相談をうけました。

Bさんは今から30年ほど前にAさんからマンションの1階部分(2室)を購入しました。

このマンションは駐車場が併設されており、ビルトインガレージのような形となっています。

この時マンションの名義はAさんからBさんへ書き換えられ、何事もなく登記簿に記録されたのです。

しかし、この手続きにはある落とし穴がありました。

ひょんなことからマンションの登記簿を確認していると、

駐車場は登記簿上1室として登記されており、居室2室を合わせて1階部分は3室として記録されていました。

しかも駐車場の敷地は間違いなくBさん名義になっているのですが、駐車場自体の名義はAさんのままになっていたのです。

Bさんからの相談は改めてこの駐車場を買い取りたいがAさんと連絡が取れないとのこと。

その後、マンション全体の敷地を確認するとAさんが敷地を所有していることは確認できなかったため、

建物の区分所有等に関する法律第10条の規定によりAさん不在のまま駐車場の売渡請求を起こしたのです。

この請求権は形成権であるため、単独の意思表示のみによって法律効果を生じさせることができます。

すなわち、相手方の意思に関係なく、一方的な意思表示で時価による区分所有権の売買契約が成立するとされているのです。

このように特殊なケースでは売主不在であっても裁判所を通じてマンションの一部を購入できるのです。

 
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