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画像=写真AC

読者の中に、消防署へ行き「消防相談記録」を書いたことがある、という方はいらっしゃいますか?

カピバラ行政書士は、申請のため何十回と消防署へ行き、「消防相談記録書」を書いてきました。

2018年3月の制度運用開始の頃は、消防署も対応が慣れていなかったり、いろいろと調べてもらったり、相談にも時間がかかったものですが、次第に「民泊相談マニュアル」のようなものが消防署内でも作成され、相談に行くと「この文書を書き写してね」と指示されるようになりました。

次の文書を相談記録用紙に書き写すように言われます。

“「届出予定住宅の状況」により判定すると、届出住宅部分の用途は消防法施行令別表第15項(イ)となる。事業開始7日前までに火災予防条例第56条の2に定める防火対象物使用開始届の届出が必要となる。”

どの消防署に相談に行っても、指示される文書は共通なので、カピバラ行政書士も学習して、あらかじめ様式に印字して相談に行くようになり、「おお、これは良いですねえ。他の相談者にも書いてくるように啓発してくださいよ」なんて消防職員の方に言われたりすることもあります(笑)

ここで重要となる「防火対象物使用開始届の届出が必要」という文言。

たしかに、消防署からの指導は間違ってはいませんが、恐らく消防法に詳しくない民泊の相談者には、指示されて書いた文書が何を意味するのか、きちんと理解できないまま相談を終えていることがあるようです。

「防火対象物使用開始届」とは、「これから、防火対象物(不特定多数の人に利用され、火災の危険性が大きいと考えられる建造物)を使い始めます」という意味合いの届出です。

提出後、消防署が必要な消防設備が設置されているか消防検査を行い、適合している場合は「検査結果通知証」が交付されるという流れです。

使用開始届を提出には、前のプロセスとして「消防設備の工事の計画届」を提出し、「着工届」を提出し、実際に消防工事を行う、という手順を踏んだ上のものです。

検査結果通知書が交付されて初めて消防法に適合した状況になります。本来であれば、営業開始前にここまで持っていくべきです。旅館業の許可証は、保健所と消防署が連携しているため消防工事・検査が完了しないと交付されません。

住宅宿泊事業から旅館業にステップアップを考える方は、消防設備設置状況について確認の上、ご相談くださいね。

 
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