石井くるみの民泊最前線
カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連の最新情報を紹介します。
前回に引き続き、今、ホテル・民泊業界が盛り上がりを見せる福岡県について解説します。(リビンマガジンBiz編集部)
(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
前回は、インバウンド需要が増加し、日本を代表する観光地として成長を遂げている福岡県の市況について解説しました。福岡市は、訪日外国人の九州における地域間流動の出入口(ハブ機能)としての役割を担っており、積極的にホテルを誘致しています。旅館業に関する規制緩和も活発に行っており、大小の宿泊事業者の参入を歓迎しています。
2018年6月15日に、改正旅館業法が施行され、従来は玄関帳場(フロント)が必置とされるホテルや旅館においても玄関帳場の代替措置が認められるようになりました。しかし、多くの自治体では「代替措置」の基準が明確化されておらず、事業者は玄関帳場の代替措置としての申請を行うまでに、行政と手探りの協議を行わなくてはなりません。
しかし、福岡市では改正法施行と同時に福岡市旅館業法施行条例を改正し、玄関帳場の代替措置の具体的な審査基準を明示しています。主な内容は、①事故その他の緊急時に迅速に対応できる態勢・設備を整えること、②宿泊者名簿の正確な記載,宿泊者との間の客室の鍵の受渡しの実施すること、③宿泊者以外の出入りの状況の確認する設備すること、が規定されています。
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