騒音など近隣住民の苦情を受け、保健所職員が訪問しても、そこに滞在しているのは事情を知らない旅行者で、事業者は滞在していません。事業者を特定しても「友達を泊めているだけ」「短気賃貸借契約を結んでいる」などと言い逃れをするケースもあります。
また、宿泊客を募るサイト上では、詳しい所在地が公表されていないことが多く、内装写真などから特定を進めるしかありません。違法事業者もそれを心得ているので、物件を特定しにくい写真しか掲載しません。このような事業者とのいたちごっこが繰り広げられ、1つの物件の違法性を洗い出すには相当の時間と労力がかかります。
観光庁は、2019年度はシステムの基本性能の検討や構築・調整などを進め、東京五輪が開催される2020年度には試験的に複数の自治体で導入し本格展開に向けた準備を進める予定です。民泊市場の健全な発展に向けて、正しくルールを守る者が気持ちよくビジネスを展開できる環境整備が急がれます。