石井くるみの民泊最前線
住宅宿泊事業法(民泊新法)・改正旅館業法の施行から1カ月が経過しました。合法化のハードル引き下げと同時に行われた罰則強化を受け、民泊から撤退するプレイヤーも見受けられ、「民泊撤退事業」がにわかに注目を浴びています。(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
個人・法人が不要品を気軽にインターネット上で売買できるポータルサイト「メルカリ」「ジモティ」において「民泊」のキーワードを検索すると、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機、ダイニングテーブルとベッドがセットになった家具一式、使い捨てスリッパや歯ブラシなどのアメニティグッズ、日本人形や掛け軸など美術品に至るまで、多種多様なアイテムがヒットします。出品者からは「民泊撤退のため格安でお譲りします。10部屋分あります」「退去期間との兼ね合いもあるため、今月中に取りに来られる方限定」というコメントが添えられているものも見受けられます。
副業で民泊を営業しているサラリーマンは、なかなか自由な時間を作ることができません。物件オーナーや管理組合から早急な明渡しを求められた、ギリギリまで営業して宿泊者を受け入れたい、など、民泊の撤退は非常に慌ただしく行われるケースが多いのです。
こうした民泊からの撤退をビジネスチャンスと捉える新たなビジネスも生まれており、「民泊の格安撤退 撤退なう」「撤退太郎」などの撤退サービスを請け負う専門会社が複数でてきています。
しかし、撤退代行業者のなかには、古物商の許可を持たないままに引き取った家具などを安く転売している業者もあるようです。