毎週月曜配信「石井くるみの みんぱく!最前線」
前回に続き、名古屋で民泊(旅館業)許可の依頼を受けた、カピバラ好き行政書士 石井くるみさん。今回は、名古屋での民泊開業に必要な玄関帳場(フロント)設置のルールをご紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

新築や大規模な用途変更など確認申請手続きが必要な場合、「名古屋市旅館等建築指導要綱」に沿った手続きが必要になることは前回ご紹介しました

しかし今回依頼は、マンション内の1部屋の簡易宿所営業許可申請を検討する案件でしたのでその必要はありません。

確認申請が絡まない申請については、担当が市ではなく区となります。
さっそく区の担当窓口に向かいます。


(撮影=石井くるみ行政書士)

マンション1室で簡易宿所が営業された場合、建物内には「住居」と「旅館業」という複数の用途(使用方法)が混ざる状態になります。

その場合、1つの建物内にマンションの居住者と、宿泊施設の利用者(旅行者)が行ったり来たりすることになります。東京では宿泊者管理の観点から、用途方法の混在の形態を歓迎しない自治体もあります。

今回、これが1つの懸念点でしたが、名古屋の担当地区保健所は1部屋ずつの申請であれば、それぞれの客室内のみが許可対象範囲となるので特に問題はないとの見解でした。
とりあえず、この点については問題にならないことが分かりました。

つぎは、玄関帳場を設置することの問題です。
小さな入口のワンルームマンションの1室のため、客室内に玄関帳場(フロント)の設置することは現実的ではありません。

ところが、名古屋市では玄関調和に関して小規模な簡易宿所施設(定員10人未満)の場合、玄関帳場(フロント)がなくても許可取得ができるとする緩和規定が置かれていました。

求められる要件は下記をご覧ください。

①    施設のおおよそ300m以内の距離に管理事務室を設ける。
②    管理事務室で宿泊者と対面し、本人確認をおこなう。また、本人から宿泊者名簿の記入をもとめ、施設設備の使用方法・過ごし方を説明する。
③    鍵の受渡し後は、必ず施設まで案内する。
④    施設の入口には、出入りを監視できるようビデオカメラを設置し、24時間モニタリングする。

きちんとした管理・運営体制を整える必要はありますが、現実的な要件かと思います。

その日、私が宿泊したビジネスホテルには、通常のフロントがありました。
スタッフの方と直接対面しながら宿泊者名簿を記入し、鍵を受け取りました。


(撮影=石井くるみ行政書士)

いろいろな用事でチェックインが深夜になってしまいましたが、真夜中でもきちんと対応するホテルの運営は、軽い気持ちではできないと感じます。

2日間の出張は、終始仕事で観光はできませんでしたが、打合せで何度も美味しい珈琲をいただきました。


(撮影=石井くるみ行政書士)

名古屋の喫茶店で珈琲を注文すると本当にピーナッツや焼菓子など「オマケ」がついてくることに感動です。
魅力いっぱいの名古屋でも、民泊が広がっていくことを期待しつつ帰路につきました。

 
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