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今回は、観光庁から「宿泊施設インバウンド対応支援事業」として最大100万円の補助金が支給される制度についての解説です。(リビンマガジンBiz編集部)
みなさまもご存知の通り、日本は観光立国の推進を目指しています。観光庁は、訪日外国人旅行者数を東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年までに4,000万人、2030年までに6,000万人へ増加させる目標を掲げています。そのために、ソフト面の受入環境整備による訪日観光客の利便性向上を図ることを目的に、地域の宿泊事業者が実施するインバウンド対応事業の支援(上限100万円)を行うことを発表しました。
本日は、宿泊施設インバウンド対応支援事業、「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金」をGETするためのポイントをお伝えいたします。
補助金公募手続きの流れは以下になります。
①複数の宿泊事業者(5つ以上)が協議会(団体)を設立する
まず、5つ以上の宿泊事業者(旅館業の営業許可を受けている事業者)から構成される協議会を作ります。宿泊事業者単独で本補助金制度の申込みはできないので、これは注意が必要です。観光庁としては、単独の事業者ではなく、地域が一体となって外国人旅行者の受け入れ環境の整備を進めることが重要と考えているためです。
②「訪日外国人旅行者受入態勢拡充計画」を策定し、国土交通大臣の認定を受ける
「訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画」とは、①の協議会が、訪日外国人旅行者の受け入れ態勢についての現状を分析し、それらを踏まえた上で、今後の取り組みや目標(外客宿泊者数、平均稼働率等)を計画するものです。
補助対象事業の例として、次のような事業が考えられます。
①館内共用部のWi-Fi整備(新規設置だけでなく、エリアを拡大する追加工事も対象)
②館内共用部のトイレの洋式化 ※客室は対象外
③館内共用部のテレビの国際放送設備の整備 ※客室は対象外
その他、パスポートリーダーの導入、多言語表示のためのデジタルサイネージの導入、シャワールームの設置なども対象とされています。
例えば、「現状はWi-Fiが整備されていないので外国人旅行者にとって不便。Wi-Fiを導入することで、どれくらい訪日客が増えるかなどの目標を具体的に計画」し、補助金の応募を出します。
審査の結果、無事国土交通大臣の認定を受けることができれば、各事業者が実施する体制整備の経費の1/3(上限100万円まで)の支援を受けることができます。
検討する計画が、補助対象事業に当たるかどうかは、慎重に検討することをおすすめします。
税金を使って行われる支援事業ですので、もちろん、効果の検証も重要です。
認定事業者は、フォローアップとして、「計画の実施状況」「外客宿泊者数」「客室稼働率」等を2年間、定期的に国土交通大臣に報告します。
公募期間は、平成29年8月10日(木)~10月2日(月)まで。期間内であっても、応募が予算の上限に達した場合は募集を終了ことがあるので、早めの応募が吉ですね。
申込み及び問合先は、観光庁 観光産業課 宿泊施設インバウンド対応支援事務局です。
観光庁が入っている国土交通省 (画像=写真AC)
〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3
Tel:03-5253-8329(受付時間:平日10時~17時)
詳細については、観光庁のwebサイトを確認しましょう。
http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000110.html
この支援事業の実施により、訪日外国人が快適に利用できる宿泊施設の広がりが期待されますね。