毎週月曜配信「石井くるみの みんぱく!最前線」

民泊の営業許可申請や運用管理に詳しい、行政書士の石井くるみさんが、毎週民泊の最新情報をお届けします。


6月に成立した「住宅宿泊事業法(民泊新法)」を数回に分けて解説していただきます。

今回は、「住宅宿泊管理業者」ついての解説です(リビンマガジンBiz編集部)。

民泊新法を徹底解説①「なぜ、必要なの?」

民泊新法の徹底解説②「民泊新法のルール」

民泊新法の徹底解説③「住宅宿泊事業者」


(画像=写真AC)

住宅の一部やマンションの空き室を宿泊施設として提供する「民泊サービス」の健全な普及を図るため、事業を実施する際のルールを定めた「住宅宿泊事業法」(通称:民泊新法)。

今回は、新法民泊(住宅宿泊事業)におけるもう1つ「住宅宿泊管理業者」について見ていきましょう。

くるみ先生:前回・前々回と、民泊新法こと「住宅宿泊事業法」における事業の内容と、そこでビジネスを営む民泊ホスト「住宅宿泊事業者」について勉強しましたね。

生徒:はい

くるみ先生:実は「住宅宿泊事業」は、住宅宿泊事業者が自ら届出住宅(民泊施設)を管理するか・しないかで、「家主居住型」と「家主不在型」の2つに区別されます。「家主不在型」の場合、住宅宿泊事業者は民泊施設(届出住宅)の管理を「住宅宿泊管理業者」に委託しなければいけません。

生徒:漢字ばかりでイメージするのが難しいな・・・

くるみ先生:「家主居住型」は、いわゆる“ホームステイ”のイメージです。一方「家主不在型」の場合、民泊施設にステイするのは宿泊者だけ。近年、日本で広まった民泊施設はほとんどがこの「家主不在型」のタイプです。

生徒:どうして2つに区別する必要があるの?

くるみ先生:ホームステイタイプの「家主居住型」であれば、同じ施設内に管理をする家主(ホスト)がいるので、何かトラブルが起きた場合でもすぐ対応できますね。一方、「家主不在型」の場合は、施設内に管理者がいないため「清掃が行き届かない」「夜間の騒音などにより近隣住民トラブルが起きやすい」「火災などの緊急事態発生時に適切な対応ができない」などの懸念がでてきます。そこで、宿泊者の利便性と近隣住民への配慮などを併せて必要なサービスが提供されるように「住宅宿泊管理業者」にきちんと責任をもって管理してもらいましょう、ということになりました。

生徒:「住宅宿泊管理業者」は、民泊施設管理のプロなんだね。「住宅宿泊管理業者」はどうすればなれるの?

くるみ先生:「家主不在型」の民泊施設において、住宅宿泊事業に係る住宅の管理を受託する事業を営もうとする場合、国土交通大臣の登録を受ける必要があります。

住宅宿泊管理業者は、管理の委託を受けた届出住宅において、住宅宿泊事業の適切な実施のための業務を遂行する義務を負います。

その他にも、住宅宿泊管理業者は、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならないとする業務処理の原則があります。

・名義貸しの禁止

・誇大広告等の禁止

・不当な勧誘等の禁止

・管理受託契約の締結前・締結時の書面の交付、住宅宿泊管理業務の全部再委託の禁止

・証明書の携帯等、帳簿の備付け等、標識の掲示、住宅宿泊事業者への定期報告

など様々な義務を負います。

生徒:うわあ、やらなきゃいけないこと、してはいけないこと、いっぱいあるなあ!

くるみ先生:報酬を受けとるということは、相応の責任を負うということですね。

次回は、民泊における施設のマッチングを行う「住宅宿泊仲介業者」について見ていきましょう。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ