毎週月曜配信「石井くるみの みんぱく!最前線」
民泊の営業許可申請や運用管理に詳しい、行政書士の石井くるみさんが、毎週民泊の最新情報をお届けします。
今回は、外国人向けホステルで開かれたセミナーの様子をお伝えします。外国人には「和」テイストの施設が喜ばれるよう。日本人の考える「和」とはちょっと違いますが…(リビンマガジンBiz編集部)。
先日、去年12月にオープンした外国人旅行者向けホステル「SAMURAIS HOSTEL池袋」にて、ホステル事業開発セミナー&ホステル見学ツアーを行いました。
インバウンド需要の急増を受けて、にわかに注目を集めるホステル。本日は、宿泊施設で開催したセミナーの様子をご報告いたします。新規参入を検討している方は是非参考にしてください。
「SAMURAIS HOSTEL池袋」外観 (撮影=石井氏)
セミナーでは、まず始めに私が、昨今の宿泊業界を取り巻く市場環境、宿泊ビジネス法規制の全体像や規制緩和、旅館業法、建築基準法、消防法の相互関係など、「旅館業」「民泊」の法規制と経営実務について体系的に解説しました。また、この物件は、もともと事務所ビルだったものをシェアハウス(建築基準法上の寄宿舎)に用途変更された建物です。今回さらに、シェアハウスから宿泊施設への用途変更を行ったため、確認申請手続きでは既存不適格となっている箇所も多く、行政との協議にも時間がかかった、ということも紹介しました。
セミナーの様子 (撮影=石井氏)
続いて「SAMURAIS HOSTEL池袋」の運営会社代表の藤井善英氏が、簡易宿所営業許可取得から実際の営業までのノウハウについて、実例を交えながら講演を行いました。
株式会社サムライズ代表取締役 藤井善英氏の講演 (撮影=石井氏)
セミナーで藤井氏は、実際に営業中の簡易宿泊所にて、月別の売上・稼働率、宿泊客の属性や客室単価まで公開しました。またとない機会で非常に好評でした。
ホステル見学ツアーの様子
「SAMURAIS HOSTEL池袋」は「サムライ・ニンジャ × アート」をコンセプトとした宿泊施設で、宿泊者の出入口のフロント横には甲冑が置かれ、建物内や客室内には侍や忍者をモチーフとした壁画が描かれるなど、和の世界観にどっぷり浸かれる工夫が凝らされています。
日本のマンガやアニメ、戦国文化に興味をもつ外国人旅行者だけでなく、日本史好きの日本人も楽しめるホステルですね。
4Fの特別室 (撮影=石井氏)
ベッド数は全22床と規模は小さめですが、ドミトリー、2名用の個室、ファミリーやグループ向けの完全個室など多様なタイプの部屋が用意されています。
個室の壁画 (画像=株式会社サムライズ ニュースリリースより)
1Fのフロントで宿泊客を出迎えてくれる、甲冑。希望者は着用や記念撮影も可能(有料)だということです。
私たち日本人でも日常生活で甲冑を目にする機会はあまりないかと思います。初めて目にしたとき、少し怖いと感じたのが個人的な感想ですが、外国人の宿泊客からはかなり好評とか。
施設全体「和」の造りの工夫が凝らされおりますが、一方、寝室は畳敷きのベッドとなっており、外国人旅行客の宿泊への配慮がなされています。
シンボル的存在の甲冑 (画像=株式会社サムライズ ニュースリリースより)
セミナーを開催した地下は共有スペースがあり、こちらの壁にはイラストレーターによるの壁画が描かれています。こちらの共有スペースは、普段は共有キッチン、旅人同士のコミュニケーションの場になっています。
共有スペースは地下なので騒音の心配もなし (画像=株式会社サムライズ ニュースリリースより)
見学ツアーの後、希望の参加者との個別相談も実施しました。参加者には、ホステル・民泊事業を検討中の不動産業者もいれば、現時点ですでにホテルやホステル運営者、不動産投資家など様々な属性からなり、参加者同士の情報交換の場としても非常に有意義でした。
宿泊施設内でのセミナー開催は初めての試みでしたが、ユニークで自分自身も楽しめました。機会があればまた企画したいな、と考えています。
「SAMURAIS HOSTEL池袋」は本日も営業中!
サムライと忍者アートが気になる方は、いちど宿泊してみてはいかがでしょうか。