賃貸仲介ビジネスは大きく変化しています。賃貸仲介業領域を得意とするコンサルタントの南智仁さんが、賃貸仲介の現場で繰り返される新しい風景を独自の視点で伝えます。

今回は、不動産業界で成功している人たちの共通点を紹介します。

画像=PIXTA

不動産業界に入ってもうすぐ25年を超えた。学生だった20歳の時に不動産会社でチラシ配りのバイトを始めたのが、まるで昨日のことのようだ。今や自分の年齢を考えると、ベテランの域に達しているのかもしれない。これまでのキャリアで多くの社内の同僚や取引先のかたとお会いしてきた。多くの方が、自分よりもスキルが高く、驚くほど能力が高い。ありがたいことに、今でも勉強させて頂く機会に恵まれている。

それなりに長くこの業界にいると、ずっと第一線で活躍されているかたと接することも多い。面白いもので、その時代にスポットライトを浴びたかたのなかで、それを継続維持し続ける人とそうではない人がいる。また一時的に表舞台から降りても不死鳥のように蘇り、また輝きを取り戻す人もいる。

別の話になるかもしれないが、これまで多くの不動産会社の幹部の方ともお会いさせて頂いた。それぞれの会社の特色は違えども、それなりの人数をマネジメントして、成果を出すかたは、やはり優秀な方が多い。しかし、そのなかでもずっと成果を出し続ける人とそうではない人がいる。

業界で、第一線で活躍し続ける人には、ある共通点があるように思う。これはかなり前から気付いていたことだ。

とてもシンプルなことだが、それは「体力がある」ということだ。体力といわれると、「交渉の体力」や「仕事における体力」などいろいろな見方があるかもしれないが、そうではなく、ただシンプルに「フィジカルとしての力がある」という意味だ。

ハードな仕事にも耐えうる体力、そして日中動き回る体力、いろいろあると思うが、とにかく総じて「肉体的に強い」ことが共通点としてあげられる。

これまで多くの優秀なかたを見てきた。しかしそのなかでもそれを一時的にしか維持できないかたも多い。逆に、初見の印象では、あまり目立たないかたが、どんどん優秀なかたを追い越していく現場を見てきた。追い越される人と追い越す人との違いは、シンプルに体力の問題によるところが多い。

今も不動産業界では酒席の機会が多い。深酒をしてしまう夜もそれなりにある。しかし、次の日、何事もなかったように朝早くから仕事をする経営者もいれば、昼過ぎまで出社しない経営者もいる。ほかにも、日中ギッチリと予定を入れて、現場を動き回り、タスクをどんどんこなし続ける幹部のかたもいれば、自分のペースで無理のない量の仕事をこなす人もいる。当然のことながら長期的に見ると、成果をあげる人は、圧倒的な量を毎日こなす人だ。

また面白いもので、自分と同世代の40代中盤でバリバリと仕事をしている経営者のかた、幹部のかたの殆ど大半の方が、意識的に体を鍛えている。週の大半、ジムに行き、ガッツリと筋トレをしてマッチョになる人もいれば、休みの日にジョギングをして体を絞っている人もいる。トレーニングの質や量に個人差はあれども、とにかく何らかのフィジカルトレーニングをしていることは、活躍している人の大きな共通点である。

また睡眠にも気を使っている人も多い。会食なども早く切り上げられるものは切り上げ、家に帰ってなるべく早く就寝する。無駄に夜更かしをしない。こうしたことで意識的に体力を回復されるかたが大半だ。

かくいう自分も40代になって意識的に体を鍛えるようになった(ここで紹介している方のような成功はしていないですが、、、)

毎朝、簡単な自重トレーニングをして、休日はジョギングをしている。これをやり始めたきっかけは、コロナ禍で在宅ワークになった時に、体力が無くなりすぎて、仕事に支障をきたし始めたからだ。とにかくコロナ禍の時は、家で座ってばかりの仕事なので、腰が痛くなる。さらに夕方ごろになると、集中力が切れて殆ど打ち合わせをする気力すらなくなっている。これはマズイと思い、そこから意識的に体を鍛え始めた。今は、自分なりにそれなりの仕事量も息切れせずにできるようになった。

ちなみにフィジカルトレーニングによって、テストステロンやアドレナリンなどのホルモンが分泌され、血流や代謝が改善されるそうだ。これにより、脳や心臓の働きが活性化され、仕事の効率や満足度が向上する可能性が高まる。またフィジカルトレーニングを通じて自己管理能力や自己啓発が鍛えられることで、仕事においても成功を収めることができる可能性が高まるとのことだ。まさに効果抜群である。

繰り返すが、20代でキャリアで周りと大きな差があっても、そこから追い越すことができる。キャリアの差を体力で埋めていくのだ。

不動産業界でのキャリアは、経験がかなりものをいう。経験を積むためには、それに耐えうる体が必要になる。また、未経験のことにチャレンジすることは、それなりに億劫だし体力がいる。さらに組織が大きくなり、多くの従業員をマネジメントしていくには、それに対応するための体力が必要になる。いずれにしてもフィジカルがものをいうのだ。

仕事を頑張るために今一度、自分自身の体力を見直してみても良いかもしれない。仕事とは、短距離走ではなく、長距離走なのだから。

 
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