こんにちは。明海大学不動産学部不動産学科3年の平木さくらです。
今回は、私が所属している本間勝先生のゼミナールについて紹介させて頂きます。
本間先生は不動産科学を専門としており、大学院修士課程の時は都市計画における震災復興や公園計画・管理運営を通じたまちづくりと住民参加の関係、大学院博士課程では土壌・地質の汚染を扱った土地の環境法やスティグマ(心理的嫌悪)の定量化を環境経済学や実験心理学を応用して研究していたそうです。いずれも、いわゆる理系と文系の両方を研究対象としていたそうで、ちょっと変わった研究分野だと思っています。
このゼミナールは、工学系や法学系の両方を扱った本間先生の専門分野を生かしたテーマのもと、その研究内容に関心を持って志願した私たち学生がゼミ生となって主体となり、学習・研究・共同作業・現地調査等を通年にわたり行なっていきます。
これまでゼミ生だった先輩達も、テーマの違いはあるものの、同じ方法で学んできました。私がこれから活動する今年度(2018年度)の本間ゼミのテーマについてご紹介したいと思います。
土地を診る目を養う
これは土地の物性や環境状態を知るということですが、先生は土地を「視る」ではなくて、土地を「診る」という漢字にこだわっています。その理由は、単に調査するのではなくて、その土地がどういう状態であるのかを診断することができる科学の目を身につけることを目標としているためです。ゼミの学習だけで身につけることは難しいですが、「おかしいな?」と気づくことができるようになれば、と先生はおっしゃいます。異変を察知することができれば、その対応策はさらに専門家の協力を得て解決することができます。一番大事なことは、現場で自分の五感で感じることだと教えてもらいました。
不動産学部は講座制を採っておらず、本間研究室はいわゆる純粋な理系研究室の体制をとってはいません。メリットは、学生の関心テーマを比較的簡単に採り上げてくれる点です。反面、大きな研究室ではないので、簡易な測定機器はありますが、大規模な分析機器は持ち得ていません。なので、地質学、土壌学、環境化学などで用いるさまざまな科学的分析が必要な場合は、他の大学研究室や分析会社などの協力を得ています。
一方で、併せて法政策的な研究も行う点がこの研究室の特徴であり、メリットだと思います。よって、法的な権利状態や行政法上の規制などを把握することもできる不動産の開発企画を行う専門家の目を身につけることも目標にしています。
不動産学部には様々な分野の先生が研究していますので、研究室間で多様な研究アプローチができることも特色だと思います。
未来の地方都市の形を創造する
環境科学では長年言われている「持続可能な社会」の構築のため、約20年後の地方都市の未来をシミュレーションすることで、問題点を見つける方法を身につけます。
その結果から、未来に相応しい都市再開発を企画検討するケーススタディを行っています。今年は実際の再開発計画をケースに企画検討することができるので、再開発計画の手法もゼミ生で勉強しています。
また、その他に毎週、報告者を決めて不動産関係の国内ニュース・海外ニュースを調べて報告・解説し、自由討論を行い最新の情報共有をします。先生は、その他に読書をすることを強く勧めています。特に不動産の専門書やビジネス書、地理歴史書などを勧めています。先生は大学生の読書量が少ないことを心配しているようです。
私達は当番制の報告や基礎知識を学ぶために、前期は座学が多いですが、夏休み以降は現場へ出かけることが増えて来ます。身につけた知識を活用して実際の事例を自分自身の目で確認し、検討することになります。このゼミは現場主義だと思います。
これらの知識は、卒業後に不動産・建設・金融関係企業などへ就職した時だけではなく、自分が家を選ぶ際にも役立ちます。
現場主義のゼミ
ゼミ活動は始まったばかりであり、まだ1か月しか経っておりませんが、親睦会などで交流を深めてゼミ生全員が意気軒昂と今後のゼミ活動を楽しみにしている状況です。特に夏季合宿を楽しみにしている学生は多く、今年度は北海道の夕張市で現地の現状や地質などを自分達の目でみて学習をする予定です。その他にも現地見学をする機会が多く、実際に体験して学ぶことができるため、実用的な知識を身につけることができる点が本間ゼミの魅力です。
本間先生(前列一番左)とゼミ仲間