こんにちは!
明海大学不動産学部不動産学科4年生の竹村彩花です。
今回は、私が受講した「不動産管理演習」について、実際に受講した学生からの目線で紹介したいと思います。
不動産管理演習について
この授業は、週に一度、2コマ連続授業で15週、計30回開講され、前半にマンション管理の基礎である修繕積立金の計算や長期修繕計画表の書き方、そして住戸リノベーションの費用計算方法を学びます。
後半は、学生が実際の管理組合の方々に提案を行います。
千葉県花見川区にある団地型マンション「西小中台団地」へ実際に伺って現地調査と管理組合の方にヒアリングを行い、最終日(15週目)に行われる学内でのプレゼンテーションに向けて、同団地の空き住戸に借り手を付け、かつ団地の活性化につながる仕組み作りの提案をします。
私はこのプレゼンテーションで上位2組のうちの1組に選ばれました。15週の授業は終了しましたが、その後、選ばれた2組は学外でのプレゼンテーションとして、実際に団地管理組合の方々に向けて提案をすることになりました。
プレゼンテーション作成への意気込み
後半の課題であるプレゼンテーションは短期集中で考えるため、ペアでの提出が可能でした。
私は個人的に参加したある企業での夏のインターンシップでも、似たようなプレゼンテーションの機会があり、かなり本気で取り組んだのですが、評価されず涙を流す悔しい経験をしたことがあります。
ですので、今回はリベンジも兼ねてしっかり本気で課題に取り組んでくれるペアを組みたいと思い、信頼のおける同じ学部で建築系を専攻して学んでいる坂本寛稀君とペアを組みました。
私がインターンで学んだことは2つあって「時間管理を徹底すること」と「相手のニーズをしっかり掴まなければ提案内容も薄いものになってしまうこと」です。これを意識して課題に取り組みました。
西小中台団地
団地を訪問した際は、団地内を案内してくださる管理組合の方のお話を私がメモし、坂本君は写真係で課題に使えそうな資料集めを分担して取り組みました。
西小中台団地は最寄り駅からバスで8分ほどの場所です。駅からそこまで離れていないのに空き住戸が発生しています。
理由は、住民と共に建物自体の高齢化が進んでいるのにもかかわらず、5階建の住棟にはエレベーターがついていないため、4階5階の空き住戸が目立つようになっていました。
お買い物は駅周辺が充実していそうですが、団地敷地内に幼稚園、保育園、小学校があり公園なども充実していたので子育てに強いと思い、私たちはその強みを活かすべく保育系の提案をしようと試みました。
プレゼンテーション作成の苦悩
パートナーとの話し合いは、提案までの時間を逆算して、限られた時間内で確実に方針を決めていくことにしました。
裏付けのない方針とならないよう、方針理由はしっかりと検討したつもりですが、先生たちの意見も厳しく納得のいく提案がまとまりませんでした。
この授業は3名の先生方が指導してくださります。先生からは「課題の回答として成り立つ提案だから、時間もないしもうこの提案で進めなよ」という言葉をもらいましたが、気が進まず煮詰まってしまいました。
そんなとき、一人の先生が私たちのやりたいことを整理し、家庭内で保育事業を行っている人がいること(保育ママ事業)を教えてくださり、この職業について私たちは授業外の時間でも調べました。
自宅で自治体から許可を得て小さな保育園を開講する方のことを「保育ママ」と呼んでいるそうです。
私たちはこの保育ママをターゲットにした4,5階を2戸1にした住宅を提案しました。5階を保育スペース、4階を生活スペースにできるようなリノベーションを考え、12年で初期費用を回収する収支計算をしてプレゼンテーションを行いました。
作成したプレゼンテーション(パワーポイント)の一部
学内プレゼンテーション
プレゼンテーション当日の発表は10分と決められていました。ですが私たちはまず保育ママとはどういう人なのかを説明してからリノベーション概要を話し始めたため、10分では収まりきらなくなり、発表後半は早口になってしまい満足な発表はできませんでした。
私はすごく落ち込みましたが、内容の評価と課題への取り組みもきっと評価していただいて優秀なチームとして選ばれました。
学内プレゼンテーションにも、団地管理組合から2名の方が来て下さり、新しい発想だと嬉しい講評をいただくことができました。
現地でのプレゼンテーション
その後、先生から団地でも管理組合の方々に向けてプレゼンをしようと誘っていただいたので、また新しいスライドも足して内容を深めて、周到な準備をしてから発表をしたました。
しかし、団地でのプレゼンテーションでは、管理組合の方々からは、批判の声しか上がりませんでした。
今まで褒められてきた私たちの提案はとにかく否定されました。その時、「ヒアリングが全然足りていなかったのではないか」と感じました。
団地は約1000世帯の住民の方々がいらっしゃって、いきなりよその者が明るい提案をしたところで余計なお世話だったのかと思い、当事者意識の足りなさにも気づきました。
団地の方々はそんな中でも最後には学生の私たちに「頑張ってください」と仰っていて、本当に私たち学生の甘さが浮き彫りになる日でした。
西小中台団地でのプレゼンテーション
不動産管理演習という授業
この授業は選択科目でしたが本当に取ってよかったなと思っています。
専門的な学び、団地という地域に根付いているコミュニティとの出会い、そして大好きな先生と出会い、こういった文章を書く機会も与えていただきました。
不動産学部の他の授業では契約関係の専門的なことを学ぶことが多いですが、この授業は実践的であり自分の提案力が試されます。
自分の考えの甘さもわかるため自己理解も深まるし、ペアで重い課題を行うことで連携した作業をする練習にもなります。
学生のうちにこんなに貴重な経験をさせていただけて本当に嬉しいです。
とても感謝しています、先生半年間ありがとうございました!