はじめまして。明海大学不動産学部2年生の入沢公也です。
今回は、不動産学部に1年半在籍したこれまでを振り返りながら、学生の視点で不動産学部の授業を紹介したいと思います。
街の表情に惹かれて
突然ですが、みなさんは、バスに乗るときに何をしていますか?
僕は必ず窓から見える家やお店や道路を眺めています。
オシャレだったり、機能的だったり、なんとなくいい雰囲気があったり…。
様々な感情が入り混じりそれぞれの顔がある街を見るのが好きだった僕は、大学受験のときも街に関わりがありそうな建築学科がある大学を受験しました。たまたま明海大学の不動産学部も受験していて、両方受かったときには日本に一つしかないという点に惹かれて不動産学部に決めました。
1年目は宅建の勉強
不動産学部に入ってすぐはまず宅建の勉強でした。皆さんご存じのように、宅建は不動産に関する基礎的な資格であり、不動産業界では最初に取得すべき資格だと言われています。ただ、基礎と言ってもそこは国家資格。ほぼ8割の人間が落ちる資格です。明海大学不動産学部では、2年生が終わるまでに宅建を取得することが奨励されていて、そのためのカリキュラムが入学当初より組まれています。幸い僕は入学直後から計画的に勉強し、いい仲間とやる気を高め合うこともできたので、なんとか1年生のうちに取得することができました。
(もしよければ合格体験記もご覧下さい)
都市計画との出会い
2年生になると、宅建の受験勉強から開放され、様々な専門科目を履修できるようになります。その中に小杉学先生が担当する「都市計画」という授業がありました。「都市計画」では都市を形成するための法律や活動を学び、社会の中での都市の役割や良い街づくりを考える授業です。僕はこの授業にとても興味を持ちました。特に、今まで宅建で習ってはいましたが、どちらかというと暗記に近かった都市計画に関する法律も、より具体的にどのように使われるのか、何のためにあるのかなどを学ぶ事ができるようになりました。
例えば、行政ではなく土地所有者がその地域の建物のルールづくりを行う建築協定。建物の素材から階数、敷地分割の禁止など、民間の人たちだけで自分たちの住みやすい街づくりをすることができるということに驚きました。
それから土地区画整理事業。制度や仕組み自体は宅建の勉強で学んでいましたが、実際には何年もかかることだし、地権者の所有する敷地が小さい場合には減歩すると住宅が建てられなくなってしまうので、自治体があらかじめ公共用地にする分の敷地を購入して減歩率を低くするなど、実際の対応を知ることができました。
宅建で学んだ知識と、授業で教わる新しい知識を使ってさらにより良い街づくりについて探求していくこの授業は、学問というものにあまり関心のなかった僕が初めて面白そうだ、やってみたいと思えるものであり、この科目に、僕はある種の運命のようなものを感じました。いままでただ「なんとなくいい雰囲気」で終わっていた街が、ただ漠然と街が好きだと思っていたことが、輪郭を持ってはっきりとしてきた感覚がありました。
都市計画からエリアマネジメントへ
僕はまだ2年生ですが、都市計画の先生から意欲を買われ、授業外で特別にゼミの時間を作って頂きました。今は最近注目されている「エリアマネジメント」についてゼミで勉強している真っ最中です。
エリアマネジメントとは、平たく言うと「街の経営」だと思っています。これまでの都市計画は、ハードとしての街を整えたり、良好な環境を維持するためのルールを策定したりすることが中心でした。しかしこれからの時代は、そのエリアを活気付かせるために催し物を開催したり、必要なサービスをエリアとして導入したり、エリア全体の将来の在り方を様々な人たちで検討したりといった、まるで会社を経営するような取り組みが必要だと言うことです。といっても、正直言ってまだまだよく分かっていない部分もあります。
僕は大学へ通学するときに、東京駅での乗り換えを地下通路では無く、地上を歩くことにしています。そのときに感じる、丸の内の洗練された、心地のよい雰囲気が大好きなのですが、その雰囲気もまた、エリアマネジメントの成果であると知って、ますます興味がわいています。
丸の内仲通り(丸ビル前)
一号館広場(三菱一号館美術館前)
都市計画という学問を知ると、普段何の気なく使っている街がもっと好きになれると思います。今度バスや電車に乗る際には窓の外に目を向けてみてください。見える世界が少しは変わって見えると思います。