不動産学部で設計製図に関する授業を担当している塚原光顕です。
今回は、不動産学部で行われている設計製図の授業について紹介します。
設計製図の授業について
不動産学部はデザインコース、ビジネスコース、ファイナンスコースの3コースに分かれています。
設計製図の授業は、主にデザインコースの学生が選択します。
他大学の建築学科と違い、2年生から本格的な設計製図の授業を受けることができます。
はじめに、2年前期に設計製図の基礎となる授業があります。ここでは製図のイロハを教えます。具体的には線の引き方から始まり、製図のトレース(図面の模写)、アクソメ(立体図法)の表現、最後に大学敷地内に休憩施設を設計します。
不動産学部ならではの住宅地設計
2年後期には、不動産学部ならではの授業があります。
不動産デベロッパーの立場から、対象敷地の宅地割から住宅の設計まで行います。宅地割りは3人のグループで行います。各グループが魅力的なオンリーワンの住宅地を計画します。
なかには、快適な住居地にするために、人工地盤を作り、地上に住宅地、地下に駐車場を設けたグループもありました。地盤の上下で完全に歩車分離をし、地上は歩行者のみ通行可(緊急車両もOK)という大胆な計画です。
住宅地設計の演習
社会問題を意識した設計課題
3年前期には、シングルマザーや高齢者など、社会的弱者を対象としたシェアーハウスを計画する授業があります。
テーマは「助け合いながら豊かな生活ができるシェアーハウス」。敷地に畑をつくり、そこで採れた野菜を使って食堂を開くなど、食を通じた豊かな生活を提案する面白い計画もありました。
シェアーハウスの提案模型
経営を意識したホテルの設計
4年では、都市型ホテルの企画と計画を行います。設計製図のテクニックを用い、不動産デベロッパーとしての視点から、どのような都市型ホテルを提案するかという課題です。周辺環境を読み取る力も必要ですが、利用客を想定し、どのような人に使ってもらえるのか、また、どのように使用されれば収益が上がるのかまで考えてもらいます。
図面をまとめる作業では、2年生から蓄積してきたスキルを、さらに展開してくことになります。立体模型に加え、イメージパースを企画書に入れる学生もいました。