不動産研究センター長の山本卓です。
今回は、不動産学部の下部組織である不動産研究センターが担う不動産鑑定士の育成機能について説明します。
不動産研究センターとは
明海大学不動産研究センターは、明海大学が公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会から不動産鑑定士試験合格者を実務修習生として受け入れる機関(実務修習実地演習大学)に認定されたのを受けて、2006年11月に設立されました。
当センターは、不動産鑑定の実地演習だけでなく不動産に関する総合的な研究・調査及び教育等を行うことを目的としています。当センターの主な機能として、
① 不動産鑑定士合格者の実務修習を通じて高度専門職業人を育成する機能
② 研修や調査研究を通じて産学の連携を推進する機能
の2つがあります。
不動産鑑定士とは
不動産鑑定士は、弁護士、公認会計士とともに3大文系国家資格とされています。不動産学部では、不動産分野の最高資格である不動産鑑定士の育成に重きをおいて参りました。
不動産鑑定士は、不動産の経済価値を把握し、それを関係者に理論的に説明することが求められます。そのため、不動産に関する法学、経済学、建築学等の様々な領域の統合的な学識が不可欠です。活躍のフィールドも多岐にわたり、不動産の取引、開発、証券化、資産税評価、遊休不動産の有効活用等幅広いものがあります。また、近年では経済活動のグローバル化や国際財務報告基準(IFRS)の進展から、業務は国境をまたぐものとなってきています。
このように、広く経済社会に強い影響力を与える高度専門職業人を育成することは、本学の建学の精神である「国際未来社会で活躍しうる有為な人材の育成」の具現化に相当し、重要な使命であると捉えています。
当センターでは、設立以来約150名の不動産鑑定士を輩出してきました。不動産鑑定業界における当センター出身者の比率は今後も逓増し、影響力を持つようになることが予測されます。
不動産研究センタ―の実務修習の特徴
現在、優れた実務経験を有する指導鑑定士のもと、金融、大手不動産、商社、自治体等に勤務する方々への丁寧な教育指導が新宿サテライトキャンパスを拠点に行われています。当センターの実務修習の特徴として、業務多忙な社会人を対象として、好立地の教室で、土曜日を中心とした指導が行われていることです。
また、指導鑑定士の多くが、日本の不動産鑑定業界の最高峰である一般財団法人日本不動産研究所の出身者であるため、最高水準の実務知見を有していることもセールスポイントです。このような環境のなか、不動産鑑定士の最終関門となる修了考査の合格率は、毎年ほぼ100%を誇っています。
新宿サテライトキャンパスでの授業風景
今後に向けて
不動産鑑定士の資格取得は、あくまでも通過点であり、ゴールとはなりません。当センターは、不動産学部・大学院不動産学研究科との連携を保ちながら、資格を取得した修了生の高度専門職業人としての活動のサポートにも力を入れていく所存です。
具体的には以下の諸点に積極的に取り組んで参ります。
① 修了生が参加できる研究会、交流会を定期的に開催し、業務知識のレベル向上と業務ネットワークの構築を推進させます。修了生の多くは、多方面の企業、独立行政法人、国、自治体等で活躍していますので、独立開業を予定している人にとって、強力な援軍を得ることができます。
② 修了生の不動産分野の研究成果を具現化し、対外的に公表できるようにします。
③ 大学院不動産学研究科等と連携し、修了生が不動産学の分野でも活躍ができるようサポートを行います。
④ 修了生が所属する企業と連携を行い、不動産学領域の共同研究やインターンシップ事業等を推進します。
なお、今年も新しい修習生の募集が例年通りのスケジュールで始まります。志のある国家試験合格者の方々の応募を心よりお待ち申し上げています。
募集の詳細は、不動産研究センターホームページをご確認下さい。
交流会での一コマ