不動産学部の山本卓です。
私は、3年間インターンシップを担当しました。
本コラムでは、不動産学部がすすめているインターンシップを紹介します。
大学教育におけるインターンシップ
現在、大学教育の現場にインターンシップが普及しつつあり、その意義も浸透してきています。
世間でいわれているインターンシップを大きく二つに大別すると、①企業が主催し、比較的短期間の業界セミナーを中心としたものと、②大学が主催する就業経験を目的とするものになります。
不動産学部では、②のタイプのインターンシップを、関係団体、企業等のご支援のもと実施しています。
不動産学部インターンシップの特徴
不動産学部のインターンシップの大きな特徴として、事前の面接で学生の適正や希望を把握し、なるべくそれに沿った派遣先を選定していることです。いわばオーダーメイド型のインターンシップであり、複数の学生を同一企業に派遣するものと一線を画しています。
不動産業には、仲介、開発、管理、鑑定評価、設計・デザイン等の多岐の分野があり、それにふさわしい企業を用意しています。
学生のなかには、複数回インターンシップを経験しているものもおり、複数の分野を経験することで、より納得ができる進路選択が可能となります。
参加学生の感想
派遣期間が終了後、学生と面談し、職場での体験を聴取しています。ここでは以下のとおり、一部の学生の感想を紹介します。
Aさんの感想(派遣先:東証1部上場不動産会社)
不動産業務には冷静な判断力が必要です。
例えば、ある土地について、どのように利用すれば、最も高い収益を生み出すことができるのかを常に考えなければなりません。
そのためには、「日頃から経済の動きを学び、法的制度や税制の新しい知識を仕入れなければならない」ということを身をもって理解することができました。
Bさんの感想(派遣先:建設業)
研修先の建設会社は最近、老人ホーム等の福祉関係の事業運営に力を入れています。
当初想像していなかった業務をみることができて、驚きもありました。
高齢化社会が進展しつつあるなか、建設業や不動産業も影響を強く受けています。
既成概念にとらわれずに、変化する社会のニーズをしっかりと見きわめ、それに適応するように事業展開をしなければならないこと知ることができました。
Cさんの感想(派遣先:不動産仲介業)
店舗で実習をしているときに、顧客が怒鳴り込んできました。
ちょっとした誤解が原因でしたが、顧客とのコミュニケーションをとることの重要性と難しさを知ることができました。
また、この顧客のクレームに対して、社員の方々が一丸となり、迅速かつ冷静に対応していたことも印象に残りました。
職場でのチームプレーを直に経験することができ、人と繋がる暖かさを知りました。
自分もこのような会社で働いてみたいと感じました。
Dさんの感想(派遣先:不動産仲介業)
研修先の社長からは、「ライバル企業は、我々の弱点を突いてくるので、苦手分野をなくすように常に努力しなければこの業界では生き残れない」と諭され、不勉強な自分を反省しました。
ある地域であたりまえのように会社を続けていくことは、実は相当大変なことであることを学びました。
大学に戻ってからは、自分の苦手な建築関係の勉強を一生懸命やりたいと思っています。
以上のとおり、企業での就業経験を通じて、多様な気づきを得て、大学に戻る学生が多いことが分かります。
そして、多くの学生は、問題意識が明確となり、大学での学びにも、より積極的となる傾向があります。
インターシップ報告会の様子
*参加学生は、就業経験で得た成果を発表します。