このサイトをご覧の方は多少なりとも不動産の売却について興味をお持ちとは思うが、一刻も早く現金が必要であるとかの事情がない限り、少しでも高値で売りたいと思うが通常である。
「不動産」は大きく分けて2種類、要は土地と建物に分けられる。
土地については、社会情勢とともに価格は上下するが、「中古」という概念はない。つまり、土地だけなら多少寝かしておいたところで、経年劣化による価格の減少はまず発生しない。
しかし建物は別である。減価償却という言葉に示されるように、経年で劣化していく。
これを防ぐには、一刻も早く売却するしか基本的には方法はない。
もちろん「基本的に」と言っている以上、例外がある。
必要な管理をきちんと行っていることである。
同じ建物であっても、きちんと清掃、修繕等の管理をしている物件と、放置三昧の物件、どちらが高く売れるか火を見るより明らかであろう。
一戸建ての住宅だと、それらの管理は自分自身で行うことができるし、心情的にも最初から自分の所有物件である家屋はきちんと管理しているケースが多い。
しかし、マンション等の場合はどうだろう?
「自分の管理が及ぶ部分(専有部)しかやっていない」という方がほとんどではないだろうか?
ある意味は正解である。それ以上のことはできない。いくら荒れていようが他人の専有部を勝手に修繕したりすることはできない。共用部分については、清掃等、維持に関することならできるが、率先して共用部を自分一人で清掃している人は極めて「まれ」ではないだろうか?
そのため通常では、共用部については管理組合が雇用した管理人等が清掃にあたり、維持管理に努めてはいるが、この管理組合による維持管理、マンション保全に関する意識に大きな温度差がある。
マンション管理に意欲的な管理組合では、長期修繕計画を始め、社会情勢に見合った規約の変更、定期的な計画の見直し等、きちんと整備補修されている。すると、古い建物であるにも関わらず、外観も内装も、他の同程度の築年数を経たマンションとは比べ物にならないほど新しく感じるはずだ。
「もう売却するから、今更関係ない」と思わないで欲しい。
確かにマンションの美観を保持するには一朝一夕では不可能であるが、売却する直前であっても、少しでも有利にできるようにする方法がある。
それは管理規約の変更である。
管理規約はマンションができた時点の社会情勢に合わせて作られているのがほとんどである。
つまりあなたのマンションはマンションが完成した時代のルールに縛られているのである。
マンションを購入しようとする不動産業者は必ず、規約を確認する。
そこで、今の社会情勢にマッチしない規約であると、買主にも勧められないし、「あまり管理に意欲的でない管理組合なのだ」と思われてしまう可能性もある。
逆に、きちんと現在の社会に適合した規約で、(現在はなくても)きちんと長期修繕計画がなされていると、不動産業者は自信をもって買主に勧められる、ひいては高値で売却することが可能となるのである。
このように規約に変更することは、売却するにも、そのまま住み続ける住人にとっても、新しく入居している人にとっても三方良しの方策であるため、規約の見直しをすることを是非ともお勧めする。
どのように変えればよいのかについてはまた次回。