人口は減り始めていても、世帯数はまだ増えている

日本の人口はすでに減り始めていますが、実は世帯数はまだ増えています。どのような状況なのか確認しておきましょう。

※赤字は4回の調査で最も世帯数の多い年

5年に1度(各年10月1日現在)の国勢調査で世帯数を確認すると、平成12年に4678万世帯だったのが平成27年には5345万世帯へ増えています。平成22年と比べても、人口は減っていますが世帯数は150万世帯も増えています。人口が減っているのに世帯数が増えているのは、1世帯当たりの人数が減っているからです。世帯人数が減っていくと3世代住宅のような広い家の需要は減り、単身用等のコンパクトな家の需要が増えていくと推測できます。

不動産投資の場合、世帯数が増えていることはプラス要因ですが、増加数は278万→238万→150万と減ってきています。人口がすでに減り始めていることから近い将来、世帯数も減少に転じることが十分考えられます。今後の不動産投資では、世帯数が減っても入居者を確保できるような競争力ある戦略が重要になっていくでしょう。

高知県や秋田県では世帯数も既に減り始めている!

日本全体でみれば世帯数はまだ増えていますが、都道府県別にみると違う事実なのがわかります。

※赤字は4回の調査で最も世帯数の多い年

上の表は平成12年と比べて平成27年の世帯数の増加が少ない都道府県を5つ並べたものです。日本全体では14%増えていますが、高知県は47都道府県で唯一世帯数が減っています。そして、秋田県も高知県と同じく平成17年を境に減少に転じ、青森県と鹿児島県は平成22年を境に減少に転じています。山口県も増加数が急減しているので、次の調査の時には減少に転じているかもしれません。

東京と沖縄は世帯数が大幅に増えている!

人口だけでなく世帯数も減り始めている都道府県がある一方で、人口と世帯数が増え続けている都道府県もあります。

※赤字は4回の調査で最も世帯数の多い年

次の表は平成12年と比べて平成27年の世帯数が大きく増えている都道府県を5つ並べたものです。世帯数が最も増えているのは沖縄県で27%も増えています。次に増えているのが東京都で、滋賀県、愛知県、千葉県と続きます。この5都県は人口でも増加数が多いです。平成12年(2000年)以降の世帯数の推移を見ると、3大都市圏と沖縄県の増加が目立ちます。しかし、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県では平成22年に比べて人口が減っていることから、今後は3大都市圏の中でも状況に差が出ていきそうです。

不動産投資をするのに世帯数の面から適した地域を考えるなら、3大都市圏または沖縄県が中心となります。ただ、地域によってかなり状況に差があるので、より細かく状況を確認すると良いです。

不動産投資をこれから始める人にとっても既にしている人にとっても、世帯数の推移は人口の推移と共に重要な指標の一つです。将来を予想しながら売買の戦略を立ててみては如何でしょうか。

関連記事:人口の推移から不動産投資を考える

 
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