9.勉強の進め方(その4)
民法の勉強をしっかりやった経験のある人であれば、宅建試験の民法の問題は特別な勉強をしなくても恐らく6割から8割は正答できると思いますが、そのような人であっても4択のうち最後の2択で迷うことがしばしばあるはずです。これは、出題者が何を問いたいのか、何を意図しているのか出題の文言だけではよくわからないケースがあるからです。
結局、民法と無縁な大多数の受験生にとって民法はある意味ギャンブルとならざるを得ません。
実際に私自身が宅建試験を受験した年には、今回連載している勉強方法を不動産についてはズブの素人だった家内と一緒に進めていました。
特段、勉強を教えたわけでは無いのですが毎週末の過去問の確認テストで家内はほぼ毎週パーフェクト、自分は1,2問は必ずミスすると言った感じで、直前期に行った初見の過去3年分の本試験の問題も家内は全ての年で45点以上を取っていたと思います。仮に模試でも受けていたら合否判定は間違いなく合格確実なA判定だったでしょう。
ところが、受験した年は民放の出題傾向が激変した年でした。問題を開いた瞬間「マズい」と思ったのですが、それは過去問中心に勉強していた家内が今年の問題に対応できないかもしれないというのが理由でした。
自己採点の結果、自分はそこそこ余裕で合格ラインに届いているようでしたが、家内はギリギリとはいわないまでも、それまでの過去問トレーニングの実績からは考えられないくらいボロボロのようでした。科目別でみてみると、やはり民法に相当苦戦していたようです。
我が家の実体験からは、民法の学習経験の無い人が、現在の宅建試験を短期学習で合格しようとするのはかなりリスクが高いと感じています。
とはいえ、本ブログの冒頭で書いたとおり民法の学習は本格的な勉強をしたとしても、さわりの部分を身につけるだけで2年程はかかると思います。宅建の受験のためだけに、そこまでのエネルギーを民法に注ぐ人はちょっといないのではないでしょうか。
さらに次週に続きます。