5.問題集選び
具体的な参考書を使った勉強に入る前に一つとても大事なことを書いておかなければなりません。
宅建の試験は、あくまでも“試験”です。なに言ってんのこの人と思うかもしれませんが、何を言いたいか説明しますと試験は勉強と必ずしも一致ないということです。あとの方で詳しく説明しますが、試験は合格が唯一の目的であり、実力を養う“勉強”とは似て非なるものなのです。もちろん勉強しないと試験に合格は出来ないわけですが、宅建は闇雲に勉強して受かるような試験ではありません。
それでは何を勉強すれば良いかということになるのですが、これは1にも2にも過去問です。過去問なんて出題された問題を覚えてしまえば勉強の意味がないだろと思われるかもしれませんが、過去問を覚えてしまうほどやりこんでしまえば、このレベルの試験であれば落ちるということはほとんど考えられないのです。端的に言って過去問ほど優秀な教材は他には存在しません。詳しい説明は後に回すとして、では過去問を勉強する教材として何がベターかということですが、これには、少なくとも2つの条件があります。
(1) 少なくとも過去10年分の問題は概ね網羅していること
(2) 暦年ベースではなく、分野別に過去問が整理されていること
この2つです。
(1) ですが、法律や制度が変わっているし試験の体裁も変化しているからあまりに古い過去問は解く意味がないだろうと感じるかもしれません。確かに古い問題を読むと今よりずっと簡素だったり内容も古びたものになっていることが往々にしてあります。しかし、出題者側の根幹の部分での考え方というのはそうそう変わるものではありません。過去問10年分といっても、たかだか500問です。基本書は薄くてもかまいませんが、過去問はしっかりとこなしましょう。
(2) ですが、勉強を進めるにあたり過去問を教材として使う以上、自分が基本書で勉強している箇所と過去問の出題範囲が一致していなければ【基本書の勉強→問題の実践】という学習パターンがとれません。
そこで、これも書店で一通りの文献を見たのですが、「らくらく宅建塾」の姉妹本で「過去問宅建塾」という本が3分冊で出版されています。
(1) と(2)の条件を満たす過去問集は、これしかありませんでした。
というわけで、教材はこれらを使ってみましょう。
次回は、具体的な学習の進め方について説明します。