考えたくはないけれど・・・生活保護とは?
生活保護とは生活に困窮している国民を助けるための制度。生計維持能力の乏しい国民の保護をおこない、最低限度の生活を保障すると共に、自立を促すための制度でもあります。2016年の厚生労働省のデータによると、受給している人数は全国で約216万人、世帯数では163万世帯。生活保護を受けている世帯数のうち高齢者世帯の割合は、なんと49.6%となっています。そして日本はこれからも高齢化社会が進んでいくとされており、景気の回復も言われているとはいえ生活保護を受ける高齢者世帯は増えていくと予想されています。そこで『不動産を所有していても生活保護を受けられるか』や『生活保護を受けるとなると不動産を売却する?しない?』といった疑問にお答えするため、生活保護と不動産の関係をご紹介していきます。
不動産を所有していて生活保護は可能?
先に答えを言ってしまいますが、マンションや一戸建ての不動産を所有していても『生活保護』を受けることは可能です。しかしマイホームを持ったままの生活保護の受給には一定の条件があります。まず第一に住宅ローンの支払いが終わっていること。もしも住宅ローンが残っている場合は生活保護によってローン返済をまかなってしまうため、資産を増やすことにつながり本来の趣旨から大きく外れてしまいます。よって住宅ローンがあると生活保護は受けられません。そして次に家の大きさが妥当であること。生活していく上で最低限必要な住まいとしての規模・価値を超えている不動産の場合は、最低限の生活の保障というよりも資産として捉えられ生活保護は受けられません。つまり、広い家や豪邸に住んでいて生活保護の受給は不可能。また建物の広さだけではなく、資産価値の高いエリアに物件がある場合も生活保護は受けられないことが多いです。
生活保護では不動産を売却する?しない?
先に述べた通り資産価値の高い家やマンションであれば、生活保護を受けられず売却して生活費にするよう勧められます。本来生活保護の受給の前には、まず『資産を活用すること』となっていますので当然のこと。また生活保護をすでに受けていて不動産を売却する場合、多額の現金を受け取るため生活保護の受給がストップする可能性があります。しかし生活保護を受けていても売却は可能ですから、そうすることで新たに生活を立て直しても問題はありません。どころか、それは望ましいこととして推奨される行為であると言えます。もちろん法令に従ってさえいれば、マイホームを維持しながら生活を再建していっても大丈夫。もしも判断に困ったときは福祉事務所に相談してみましょう。