決済当日に起こりやすいトラブルをご紹介

不動産売買での最後の取引となる決済。不動産は高額で契約も複雑なため、おおむね決済と同日に引き渡しもおこなわれます。そこで特に気をつけたい決済当日に起こりやすいトラブルをご紹介していきます。不動産売買契約は人生のなかでそう何度も経験するものではないため、失敗しないためにもしっかりとチェックしておきましょう!


トラブルその1『実印の不備?』

引き渡しと決済の当日に必須の『印鑑証明』『実印』。基本的な登記手続上の手続きは、不動産登記令16条によると実印が必要となっています。というか難しい法律を知らなくても、重要な手続きなどは印鑑登録をおこった実印が必要なのは誰もがご承知の通り。そのため実印を忘れてしまうこと自体は滅多にありませんが・・・むしろあっては困りますが、持参した実印が欠けてしまっていて印影が異なる場合があります。その場合はもちろん実印としては使えないため、新たに印鑑を用意し実印として登録する必要があります。手続きができる市役所が近くにあり、印鑑ショップがあれば当日でも用意できないことはありませんが、どちらにしろ立ち会う人を待たせてしまうことになるため、事前に実印に不具合はないか確認しておくことが大切です。


トラブルその2『差押えになっている?』

一般的な不動産の売買契約であっても、決済が近くなると担当者や司法書士は登記簿をチェックします。なので、決済する時点で登記上のトラブルは考えづらいように感じますが、差し押さえ登記が問題となることが実際にあるのです・・・。通常の不動産取引であれば急に差し押さえ登記が入ることは稀なことのような気もしますが、任意売却の形で所有する物件を売却する人は注意が必要です。なぜなら任意売却をするということは、キツイ言い方をすれば『お金に困っている』ということ。そのお金に困っている売り主の場合は税金なども滞納している可能性があり、売買契約を締結した時点などには問題なかったが、最後の決済と引き渡し間近になって差し押さえが入るという問題が発生するかもしれません。決済当日にこうなってしまうと、その日に解決する手段はありません。差し押さえ登記を解除するためには、差し押さえをした役所などに出向いて債務の支払いを確約するなどして、登記の抹消をおこなう必要があります。また、債務の支払いの目処が立ったとしても、抹消の手続きには一週間はかかるため心当たりのある売り主の人は注意が必要です。

 
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