土壌汚染問題で大きく揺れている東京都
小池百合子さんが都知事となったことで、次々と問題が明るみになっている築地市場の移転。東京の豊洲に移転が計画されておりほぼ完成間近でしたが、直前になって建物の地下に汚染水が見つかり移転が延期になったのは記憶に新しいところ。土壌汚染対策の盛り土をおこなわなかったことと同時に発覚したこの問題、豊洲はもともとガス工場だったため土壌汚染が深刻な状況ということで大きな騒動を呼んでいます。そんな豊洲への移転問題ですが、なぜこのようなことになったのかの推論の一つとして、土壌汚染の対策にはコストが非常にかかるということが挙げられています。つまり、その莫大な費用をケチるためにこんなことをしたのでは、ということですね。というように費用が莫大にかかる土壌汚染対策ですが、この問題を受けてもしも自分が売却したいと考えている土地に土壌汚染があったら・・・と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。そこで不動産の売却で気になる、『土壌汚染』の責任についてご紹介していきます。
実は建物よりも深刻な土地の瑕疵担保責任
土壌汚染は不動産のなかでも土地の問題となりますが、建物などと同様に土地にも瑕疵担保責任があります。土地の瑕疵担保責任には代表的な土壌汚染はもちろん、地盤沈下や軟弱地盤、過去の浸水や地中埋設物なども含まれています。建物と同じように欠陥や問題が見つかれば、売り主が責任を負う必要があります。しかし!考えてみてください。建物であれば修復も比較的に簡単で、極端に言ってしまえば建物を新しく建て直せば解決にはなります。でも土地の場合はそう簡単には解決できません。豊洲移転の問題でもわかる通り土壌汚染を取り除くのは作業も複雑で、費用がとてもかかります。またそもそも土壌汚染が見つかった土地では、建物などが建てられないかもしれません。よって売り主の責任は土地のほうが重大になるケースが多いです。
不動産売却で気になる土壌汚染の対策
不動産売却で気になる土壌汚染は、瑕疵担保責任も考えて事前に対策しておくことが大切。不動産会社が住宅地として分譲した土地であれば基本的に土壌汚染の心配はありませんが、古くから所有している土地などは、費用はかかりますが土壌汚染調査をおこなっておくと安心。仮に売買契約に瑕疵担保責任の免責事項を入れるとしても、調査をおこなうことで買い主の安心感につながります。『瑕疵担保責任免責だから知らない』という考えではなく、『土壌汚染調査をおこい問題がなかったため、大手を振って瑕疵担保責任免責としよう』といった発想で話を進めましょう。