自然災害はある日突然やってくる
コンピューターの計算能力が向上したことや衛星などの観測技術によって、気象予報なども詳細にわかるようになってきました。しかし、科学や技術がいくら発達したとはいえ、すべての災害を予測することは不可能です。台風に竜巻、地震に津波と自然災害はある日突然やってきます。そのため日々災害に備えることこそが、命を守るためにとても大切なこと。非常食や防災セットの用意、避難所のルートや家族との連絡手段などしっかりと確認しておきましょう。さて、話が脱線しましたが、不動産を売却したときに、もしも自然災害が起こった場合はどうなるのでしょうか。そういった場合に気になる『誰の責任?売り主?買い主?どちらが負担するの?』といった疑問に、ズバリお答えしていきます。
契約に盛り込む『危険負担』の特約とは
一般的に不動産の売買契約が成立しても即引き渡しとはならず、住宅ローンの決済の手続きなどがあるため、引き渡しまで通常1カ月から2カ月ほどの期間がかかります。もしも、その間に自然災害が起こって売却予定の住宅に被害があれば、誰が責任をもって負担するのでしょうか。まず民法における法律上の答えとしては、買い主側に債務履行責任があります。そのため全壊となってしまった場合でも、住宅がない状態なのに代金を支払わなければいけません。一見すると売り主にメリットがあるように感じますが、それだと買い主が怖がって不動産が売れなくなってしまうデメリットがあるため、『危険負担』の特約を売買契約書に盛り込むのが一般的。そうすることで引き渡しまでに自然災害が起こり、被害があった場合には修繕費を売り主の負担としたり、全壊した場合には買い主が契約を解除できるようにします。
自然災害にたいして売り主の備えとは
もしも自然災害で被害があっても、買い主のリスクを減らせる『危険負担』の特約。これにより売買契約後に被害があれば、売り主に負担が生じてしまいます。では、自然災害にたいして売り主側の備えを考えてみましょう。もちろん『自然災害は起こらない!』と信じて何もしない人もいるでしょう。しかし!『その時』のために備えて『地震保険』や『火災保険』に加入しておきましょう。また居住時からすでに加入している人は、売買契約を結び引き渡しが終わるまで加入を続けましょう。保険料はかかりますが、備えあれば憂いなし!ぜひ加入を検討しましょう。