マンションを売却する際の現状渡しとは?
不動産売却に限らず、誰でもできることなら余計な責任を負いたくはないですよね。そこでよく耳にする『現状渡し』という言葉。古い自動車や年代物の中古品などでもよく使われている言葉で、多少壊れたり軽微な不具合が起こっていたりしても修繕などせずに物品を渡すという意味をもっています。そして修繕などをしない代わりに、対価として価格を下げて売っていますよね。ではマンションや一戸建てなどの不動産の現状渡しも、全く同じ意味をもつのでしょうか?実は高額でさまざま要因がある不動産では少し・・・いや、大きく言葉のもつ意味が異なってきます。そこでマンションを売却する際の現状渡しとは、どのような意味をもっているか詳しくご紹介していきます。
契約で『現状渡し』にすれば何でもアリ?
他の中古品と同じ捉え方で『現状渡し』と明記しておけば、何が起こっても知らないと考えてマンションなどの不動産を売却するのは大きな間違いです。現状渡しは正確には『現状有姿渡し』と呼びますが、たとえ契約書に現状有姿渡しとあっても、すべての責任を免れるわけではありません。たとえばそのひとつが瑕疵担保責任。もしも売り主でさえ気づかなかった欠陥があれば、現状有姿に関係なく修繕費の負担を売り主に求められます。なぜなら現状有姿渡しはあくまでも“知っている欠陥”を相手に伝えた上で、現状で渡すということだからです。もしも瑕疵担保責任を回避したいのであれば、良い悪いは別にして瑕疵担保免責と契約書に明記することです。ただし!そうすると買い主が不安に感じて売れにくくなるため、一般的には3カ月といった瑕疵担保責任の期間を設定して販売することが多いです。
では現状渡しとする場合のポイントとは?
では、マンションを現状有姿渡しとする場合の注意点をご紹介します。まずはインスペクション、すなわち住宅診断をおこない徹底的にマンションの不具合や欠陥の部分を見つけましょう。そして欠陥が見つかった場合には、すべて買い主に報告しましょう。もちろん住宅診断ですべての欠陥が探せるわけではありませんが、そうすることで損害賠償のリスクを減らすことができます。最後にまとめると現状渡しは何でもアリという意味ではなく、売り主と買い主が共にしっかりと欠陥や不具合を把握し見極めた上でおこなう契約といえるでしょう。