まずは『配偶者控除』をできるだけ簡単にご説明!
“扶養”という言葉がありますが、これは自分で生活できる収入の無い人の面倒をみて養うことを意味します。たとえば夫のみが働く一般的な家族であれば、奥さんや16歳以上の子どもが扶養親族にあたります。そして、その扶養親族を養う代わりにと言っては語弊がありますが、扶養親族がいる場合には所得税を控除する制度があります。それが『扶養控除』という制度で簡単に言うと、扶養親族を養うときには税金を安くしますよということ。この時、特に妻の場合は(扶養控除ではなく)『配偶者控除』という特段の制度が設けられていて、夫の所得税が控除される仕組みになっています。しかし!この『配偶者控除』には忘れてはいけない38万円の壁(給与収入のみでは103万円の壁)というものがあります。妻がパートなり副業なりで38万円を超える「所得」があった場合には、配偶者控除が受けられないのです。
不動産を売却したら控除から外れる?
相続などをきっかけに妻が土地を所有する場合があります。しかし、夫と建てたマイホームがあるため、不動産が不要という人も多いでしょう。また持っていても固定資産税がかかるだけなので、そういった場合には所有する不動産を売却することになるかもしれません。そこで気をつけなければならない配偶者控除の話。先ほど38万円の壁をご紹介しましたが、そもそもパートだけではなく株や投資信託などの配当も含まれますし、所有する不動産を売却して利益が出れば「譲渡所得」となってしまいます。ここで不動産売却の際に大切な譲渡所得をご紹介していきます。
不動産売却の収入を決める譲渡所得とは
はじめに『不動産を売却した金額=収入(利益)』ではありません。不動産を売却した際の所得、譲渡所得とは『譲渡価額-取得費-譲渡費用=譲渡所得』ということになっています。少し難しくてわかりにくいですよね。おおざっぱに説明すると、ある不動産の譲渡所得とはその不動産の売却額からその不動産の売却経費と取得費(つまり、購入時にかかった費用)を引いてプラスになった分のことになります。そして、もし不動産を2,000万円で売却したとしても(いくらで売却したとしても)、譲渡所得が38万円を超えなければ配偶者控除は受けられます。ただし!不動産売却は計算が複雑なため、わからないことは不動産会社に相談することが大切です。