そもそも借地権付きの建物とは?
借地権付き住宅などで目にすることがある「借地権付き」という言葉。文字の意味からもわかるとおり、土地を借りる権利が付いた建物ということです。でも一般的に「借りる」と聞くと、アパートなどの賃貸物件をイメージしてしまいがちですよね。しかし「借地権付き」は賃貸とはまったく異なっていて、家などの建物の部分は自分が所有できるということ。自分の家ですから好きな壁紙に張り替えたりリフォームだってOK。土地は借りているものの普段の暮らしぶりは、普通の所有権付き物件とほとんど変わりません。そして「借地権付き物件」は所有権付きと同価格帯で見ると、より広い土地や立地条件の良い物件が選べることがメリットとなっています。
借地権付きでも売れるの?売れないの?
土地は借りて建物は自分の所有となる借地権付き物件。通常は自分の所有物であれば、所有者が自由に売却することが可能です。しかし「借地権付き」であればどうなるのでしょうか。まず家などの建物に関しては、自分の所有物のため自由に売ることが可能とされています。しかし土地は借りているのですから、たとえ建物の売却であっても土地の所有者、すなわち地主の許可が必要となってきます。となれば、実質的には建物と借地権を同時に売却し譲渡となるため、建物の所有者だけの判断で売ることはできないということになります。ただし、建物譲渡特約付借地権であれば地主の許可は不要です。また売却にあたって交渉などをおこなう際には、借地権価格の10%前後の名義変更料(もしくは譲渡承諾料)を地主に支払うことが多いようです。
借地権付きで売却する場合の注意点とは
続いては借地権付き物件を売却する際の注意点をご紹介していきます。先ほど述べた通り、借地権付きを売却するには地主の許可が必要です。ということは許可がもし得られなければ、裁判で地主に代わって許可を得られる「借地非訟」を求めることとなり、建物の所有者と地主の関係がこじれてしまいます。そうならないためにも普段から地主の人とは良好な関係を保ち、売却する際は買い手を見つけるより先に地主の意向を聞いておいたほうが安心です。またこういったトラブルの他にも、売却する際に必要な借地譲渡承諾書や承諾料の交渉など複雑なため、まずは不動産会社に相談することをオススメします。