本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法

『本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法』/江口亮介・著/ダイヤモンド社

インターネットの普及により、一般消費者も不動産に関する知識や情報を簡単に入手できるようになった。住宅購入を検討している人であれば、物件選びのポイントや住宅ローンの仕組みといった基礎知識、はたまた悪徳不動産会社に騙されないための知識武装など、様々な情報を把握したいと考えるものである。

「最近のエンドは、中途半端に知識を付けているケースが多く、やりづらいと感じる」といった話を、不動産会社の営業担当者との会話で耳にする機会も増えた。

しかし、こうした住宅購入に関する知識は本当に重要なのだろうか。知識を増やすことが、満足のいく住宅購入につながっているのか。本書『住宅購入の思考法』は、これまで語り尽くされてきた、住宅購入の知識やノウハウといった切り口ではなく、住宅購入をどのように考えるべきかという、文字通り「思考法」にフォーカスした内容となっている。

”「住宅購入には思考法が大事」(略)大事なのは知識ではなく、その背景にある考え方。知識やノウハウだけあったとしても、実際に行動し自分で行動し意思決定しなければならない(略)。むしろ知識ばかりを得てしまったがために、足が重くなってしまう可能性がある”

「賃貸か購入か」「マンションか戸建てか」「新築か中古か」といった永遠のテーマ=不毛な議論の答えは、その人のライフスタイルや環境によって異なる。では、どのように考えることで理想の住まいを実現することができるのかを、本書では順を追ってストーリー仕立てで紹介している。

住宅購入を進めるなかで陥りがちな家庭内不和や、親子での意見の食い違いなどをリアルに描きつつ、それらの問題をどのように乗り越えていくのか。その過程に焦点があたることで、読者は住まいを得るということを多角的に考えることができるのだ。

思考法に注目するに至った背景には、著者である江口亮介氏自身がこれまで自身の住まいの購入と売却を6度行ってきた経験に加え、同氏が代表を務める不動産エージェントファーム・TERASS(東京都港区)で培った経験や事例に寄るところが多いだろう。

重要度によって星が付けられたコラムには”不動産営業を見分ける4つの質問”といったテーマのものもあり、住宅購入のプロセスにおいて顧客がどのような心境なのか、どのような営業手法が求められているのか、不動産営業の教則本としても役立つ内容となっている。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ