新築建築ラッシュから中古住宅活用へ移行

日本の住宅事情と言えば高度経済成長時代から新築住宅を建てることが主流でしたが、ここ数年空き家の増加や住宅ストックがクローズアップされ、中古住宅を購入しリノベーション・リフォームをして住む方が増えています。最近の新築住宅はZEH(ゼッチ)、高気密、高断熱、耐震、免震など建築技術が高く、高水準の住宅が増えています。確かにこれらの新築住宅に住みたいと考える方は多いでしょう。しかし、新築費用が非常に高いためコスト面から新築住宅を諦め、中古住宅を選び自分好みの家にリフォームする選択をする方が増えています。また、単なる経済的な理由だけではなく、中古住宅を選択する理由はいくつか考えられます。日本家屋の良さの再発見、高齢の親と同居するためにバリアフリーに改装して同居、相続で得た中古住宅を有効活用するためにリフォームをして賃貸または転売する、など目的や視点によって利用方法は様々です。

中古住宅の現況は不具合も告知する

買主としては中古住宅を購入する際は、その中古住宅の耐震基準、住宅設備の老朽化、主要躯体の瑕疵を十分調査する必要があります。耐震が不安な建物でしたら耐震補強をする必要がありますし、キッチン、バス、トイレの設備が劣化していたら取り替える費用も考えなくてはなりません。付帯設備にエアコンと記載されていても何年前のエアコンなのか、コストパフォーマンスは良いのか、性能は十分なのかを検討しなければなりません。付帯設備として設置されていても様々な費用が負担になることがあります。売主は購入後に不具合が分かり、買主に損害賠償や撤去費用を請求されない為に、建物の現況は包み隠さず伝えて下さい。不具合や住宅設備の状況は重要事項説明にも記載されますが、シロアリ被害や建物・床の傾き、給排水設備の劣化はキチンと確認することが難しいと思われます。売却前に日常生活の中で気付いた小さなことも、契約前に伝えておけば瑕疵担保責任は問われません。売主が個人の場合は「売主は瑕疵担保責任を負わない」という特約が付されることもありますが、既知の不具合を告知していなかった場合はその限りではありません。買主そして売主自身の為に建物の現況を不具合も含めて隠すことなく買主に告知しましょう。

 
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