元 国税局職員 くらたです。
宇宙から地球を見たときの最初の言葉は『地球も申告書も青かった』です。
前回は、BSやPLについてやりました。今回は、青色申告の特典について。
青色申告の特典は4つあります。
(1) 青色申告特別控除
青色申告にすると、控除が増えます。社会保険料控除や扶養控除と違い、確定申告書の「所得から差し引かれる金額」ではなく、青色申告決算書で控除します。
↑こちらです。
65万円の控除と10万円の控除があります。
通常10万円ですが、
複式簿記により記帳し、貸借対照表及び損益計算書を提出すると、65万円になります。
貸借対照表と損益計算書については、こちらの記事を。
(2) 青色事業専従者給与
青色事業専従者給与について、国税庁は次のように言っています。
「青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。なお、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。」
つまり、
「家族を従業員にしていいよ。支払ったお金は、経費にしていいよ。これは、青色申告だから特別だよ。当然だけど、給与をもらってる人は、扶養になったりできないよ」
ということです。
家族に仕事を手伝ってもらって、さらに渡したお金を経費にできるなら、とつてもなく合理的ですよね。
元々、生計を一にしている以上、生活費を渡しているはずですから、それが経費になる。
アメリカ的合理主義を取り入れた特典です。
でも、昔は、家族が仕事を手伝うのは当たり前、家事をやりながら専従者になることはできない、という考え方で認められていませんでした。
どこかの偉人の鶴の一声で、素敵な特典が生まれたのです。
ありがとう、昔の人。
今回は、「65万円の控除」「家族を従業員にできる」の2つでした。
残り2つは次回、ご案内します。