元国税局職員倉田です。
好きな言葉は『増税』です。
土地や建物を売買したときの所得を『譲渡所得』と言います。
さらに、『長期』と『短期』に分けられるのですが、それはこちらで。
今日は、譲渡所得そのものについて紐解いていきたいと思います。
国税庁は譲渡所得の損失について次のように言っています。
「譲渡所得の金額の計算上譲渡損失の金額が生じた場合には、その損失の金額を他の土地や建物の譲渡所得の金額から控除できますが、その控除をしてもなお控除しきれない損失の金額は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することはできません。」
難しい!
つまり、
「マンションAの売買で赤字になった場合、マンションBの売買が黒字なら、二つを相殺して確定申告できます。でも、マンションの売買以外に、飲食店をやっていて黒字だったり、会社員として勤めていて給料があっても、マンションAの売買の赤字とは相殺できません」
と、いうことです。
若し、後者と相殺できたら、会社が毎月の給料から源泉徴収で天引きしている所得税が、確定申告によって還付になります。
でも、できません。
基本的にはできないのですが、できる場合があります。
それを知らないで売買をして、損するのはもったいない。
もったいないおばけが家族でやってきます。
どんな場合があるかは、次回に記したいと思います。
今日は、用語の説明をして締めます。
「国税庁は〜〜のように言っています」の後ろの方に、「損益通算」という言葉が出てきました。
損益通算とは、
「各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のものについてのみ、一定の順序にしたがって、総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額等を計算する際に他の各種所得の金額から控除すること」
とされています。
難しい!
短くすると、
「損失のうち一定のものについて、他の所得の金額から控除すること」
となります。
なんとなく分かるような!
かみくだくと、
「10個ある所得のうち、選ばれし4つの所得の赤字は、他の所得の黒字と相殺できるよ」
ってことなんです。
その選ばれし4つの所得とは、「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」です。
譲渡所得が出てきましたね!
先ほど、譲渡所得の損益通算について「基本的にはできないのですが、できる場合があります」と書きました。
どんな場合なんでしょう。続きは…次回をお愉しみに。
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