住宅の購入は「人生の3大出費」の一つに入る大きな買い物です。
少しでも予算を抑えたり、資金を補てんできればとても助かりますよね。
今回は、住宅を購入する際にうまく活用できる助成金について、数回に分けて紹介していきます。
最近始まった「住宅ストック循環支援事業」についてご紹介します。
この支援事業は、平成28年8月2日に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」として行われる制度です。
「一億総活躍社会の実現の加速」として、社会全体の所得と消費の底上げを行う施策で、「良質な既存住宅の市場流通を促進し、若者の住居費負担の軽減及び既存住宅流通市場の拡大耐震化率・省エネ適合率の向上等良質な住宅ストックの形成及びリフォーム市場の拡大」を狙いとしています。
つまり、耐震性や省エネを向上させた、上質な住宅を多く流通させていこうということです。
この制度は、
1.若者が中古住宅を購入する支援をする「良質な既存住宅の購入」
2.優良な住宅にするためのエコリフォームを実施する支援をする「住宅のエコリフォーム」
3.地震に弱い住宅を除去し、エコ住宅を建てる支援をする「エコ住宅の建替え」
の、3つのタイプがあります。
この回では1.若者が中古住宅を購入する支援をする「良質な既存住宅の購入」について紹介します。
1.若者が中古住宅を購入する支援をする「良質な既存住宅の購入」
まずは若者向けをうたっていますので、年齢が第一条件になります。
若者とは、予算成立日(平成28年10月11日)において、40歳未満の人です。
そして、次の要件をすべて満たせば、リフォーム工事を補助金の対象にしてもらうことができます。
~リフォーム工事費用の補助金がもらえる条件~
若者が、①自分が住む既存住宅を購入し、②インスペクションを実施し、③既存住宅売買瑕疵保険が付保されていること、そして④予算成立日(平成28年10月11日)以降に売買契約を締結し、事業者登録日以降に、住宅の引渡しを受けること、が条件になっています。
宅建業者か、インスペクション事業者から購入した物件が対象です。
この補助金の手続きは、購入した若者本人が手続きを行うわけではなく、宅建業者かインスペクション事業者が補助事業者となって、代わって申請を行うことになります。補助金は一度業者に渡され、その後若者に全額引渡しされることになります。
※既存住宅とは?
新築住宅(人が居住したことがなく、かつ、完成1年を経過しないもの)以外の住宅のこと
※インスペクションとは?
既存住宅の現況調査のこと。
※インスペクション事業者とは?
インスペクションを行う検査事業者のこと。
※既存住宅売買瑕疵保険とは?
耐震性があることと、一定の劣化が生じていないことで加入できる保険。原則宅建業者やインスペクション事業者がかける保険ですが、購入者が耐震性を有しない物件を購入して引き渡された後に耐震改修してから加入することもできます。
~補助額~
①インスペクション 5万円/戸(依頼主が費用負担するもののみ対象)
②エコリフォーム エコリフォーム工事に対する補助額に定める額(次回詳しく紹介します)
<補助限度額> 50万円/戸 (耐震改修を行った場合 65万円/戸)
補助限度額は50万円でも、エコリフォームをやらない場合は、インスペクションに関する5万円のみの補助額となります。
総額予算は250億円で、予算を超えると申請受け付けが終了します。
~手続きの方法は~
①個人間売買の場合と、②買取再販の場合があります。
どちらにしろ、業者が補助してくれての申請手続きになるので、購入者は必要な書類などを要求されたタイミングで適宜業者に提出してください。
~補助事業者について~
申請するためには補助事業者が必要ですが、必ず補助事業者が事業者登録が終わっているかどうかを最初に確認します。
※補助事業者になれる業者登録は平成29年3月31日までになっていますので、注意して下さい。
~申請から決定まで(予定)~
申請のタイミングは2回あります。
第1回申請書受付期間:平成29年2月1日~2月28日
→交付決定第1回:平成29年3月初旬
→交付決定第2回:平成29年5月初旬
第2回:平成29年5月1日~6月30日
→交付決定第3回:平成29年9月初旬
~補助金の振込みは~
平成29年5月末から、平成30年3月末まで毎月末振込となります。(前月末確定、翌月末振込)
交付申請に不備等があると遅れていきますので、確実に書類等を提出していきましょう。
~他の補助金との併用~
原則、国費が併用されている他の補助金との併用はできないので注意しましょう。