さて、前回の記事では待機児童問題の概要と、そのなかで家を借りるときの注意点をお伝えしました。この時に大切な視点が、「隠れ待機児童問題」です。
1、隠れ待機児童問題とは?
待機児童を作っても作っても「待機児童数が増えて追いつかない」という話を聞きます。この理由のひとつとなっているのが「隠れ待機児童問題」です。
隠れ待機児童とは、認可保育所を希望するにも関わらず、国や自治体の統計にカウントされていない児童数のこと。父母が育児休業中、認証保育所や無認可保育所に児童が通っているなどの定義があります。
自治体が目標を達成し「待機児童ゼロ」を宣言した際、翌年度から「あの街なら認可保育所に入れる」と希望者が殺到します。また口コミやインターネットで情報を共有し、翌年は待機児童が顕在化する状況を指します。
ただ、自治体間ではなく、待機児童を国の問題としたときに、流動性はあれど問題が解決するのは良い方向に向かっている、という指摘もあります。そこで最近、新しい課題として注目されているのが「待機児童を終えたあと」の問題です。
2、「学童保育」と家を借りる地域
日本では6歳から小学校に入学し、義務教育が開始します。ただ、小学校も日によっては午後の早い時間で授業が終えたり、休校となることも。一方で共働きで家計を維持していた勤務時間を短縮することは難しい。
そこで放課後、下校した小学生を預かってくれる場所が「学童保育(放課後児童クラブ)」です。現在行政では、待機児童が成長すると学童保育も現在の待機児童のように問題になると、学童保育の拡大に力を入れています。一般的な学童保育は夜8時前後まで子どもを預かり、保育料は月5,000円から10,000円ほど。
実際に国の調査では、2017年に学童保育は8万3000人がいるといわれています。
待機児童を見て家を借りる場所を決める場合は、待機児童を終えたあと、学童保育の整備状況にも気を配るようにしましょう。保育所問題と同様に、学童保育も予算整備しての拡大や民間サービスの導入に向かって状況が動いています。
家を借りる場所を決めるときに大切なのは、転居してから数年間を安心して過ごせるように準備するということ。自身で行政機関に尋ねるなどの行動により、積極的に動いて「住む家」を決めていただければと思います。