「北枕は(仏教において)お釈迦さまが亡くなった時に枕を置いた方向なので、北枕の不動産物件は止めた方がいい」という話、よく聞きますね。実際に筆者も、母親からそう言われて育ったものの、日の入りの関係から昨年北枕(正確には北北西枕)にすると落ち着いて眠れるようになりました。
1、「北枕」は前時代の話?
実際にインターネットで調べると、相変わらず「北枕は不吉」という定説が広く信じられている一方、「過去の話」という意見も目立ちます。特に「総2階の戸建てなら仕方がない」という専門家からの指摘は興味深い。その指摘によると、日の光を入れるため南窓のリビングを置き、水回りを周辺に設置すると、寝室を設置する居室は北枕の可能性が高くなるということ。
北枕には、心臓に負担がかからない、という話もあります。そもそもお釈迦さまも、心臓への負担を和らげるために北枕を選択したという説もあるくらい。
2、賃料が安くなるのなら…。
ただ、「北枕が縁起が悪い」という意見もある以上、賃貸物件によっては北枕が家賃のマイナス要因になっている、という話を聞きます。マイナス要因となるということは、北枕が入居が決まらない一因となって、入居率が悪くなっていることを意味するのでしょう。
これは「結婚式は仏滅にしてはいけない」「4と9の数字を使ってはいけない」という教えもそうですが、信じる人、信じない人、それぞれ当人が決めること。賃貸価格まで影響を与えているのは何とも「恐さ」を感じますが。
賃貸物件を探すときは、敢えて、「北枕の物件」を探してみてはいかがでしょうか。何も気にしない人であれば、家賃額の低い、掘り出し物件が見つかるかもしれません。ただ気をつけたいのは、配偶者の方は親と同居をする場合。気にする人を、決して無理には住ませないように。
「北枕は縁起が悪いのはないか」という疑念を持ち続けると、日常生活にも悪影響が出て、本当に「縁起が悪く」なってしまいますからね。