人生で一番高い買い物とされる住宅購入。その住宅購入の大きなポイントとなるのが、金利の支払方法です。不動産会社に相談すると、大半の場合「元利均等返済」がお勧めの方法として紹介されます。また専門家に聞いても、やはり元利均等返済がお勧めとして紹介されることが多いです。本当に「どのような人にでも」、元利均等返済が良いのでしょうか。




1、元利均等返済の特徴


元利均等返済は元金と金利を合わせた返済額が一定です。返済が進むにあたり、返済元本に占める元金と利息の割合が変化していきます。先述した通り、不動産会社や専門家といった多くが「お勧め」としている金利方式です。

一方の元金均等返済は、元金部分を返済期間で按分して均等に返済していく方法です。元本部分の残額に応じて金利を上乗せしていくため、当初は返済額が(元利均等返済に対して)多くなってしまうものの、次第に返済額が少なくなっていきます。総返済額は元利均等返済より少なくなります

当初返済額

総返済額

元利均等返済

少ない

多い

元金均等返済

多い

少ない


2、どちらがお勧めなのか


不動産会社などが元利均等返済を進めるのは理由があります。総返済額が割高でも、元利均等返済には「返済当初に月次返済額が低い」という特徴があるためです。住宅ローンを借りることの多い30代は教育費や生活費の上昇と、ほかの出費に懸念事項が多い年代。そこで、住宅ローンは当初に返済額が低い元利均等返済が優先されます。


ところが、最近は晩婚化などにより(独身で住宅を購入するニーズはもちろんありますが)、住宅購入年齢もまた上昇している、といわれます。ある程度家計が安定してからは、元金均等返済の「返済額は低い」という点が大きなメリットになります。購入の状況によっては、元金均等返済を選ぶのも賢い選択肢といえるでしょう。

なお、現在の未曽有の低金利がいつまで続く、という確証はありません。今後は国の根差すインフレによる長期金利の上昇も予測されています。金利の上昇には、元本が早めに目減りしていく元利均等返済がお勧め。状況によって柔軟に対応するようにしましょう。とはいっても、借入後20年も30年も続く返済方式です。不動産会社や専門家の意見を十分に参考にしながら、判断していくようにしたいものです。

 
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